今回は商業物件（店舗、レストラン、オフィス等）の賃貸についてお話させて頂きます。
商業物件の賃貸は、居住用物件の賃貸とは異なる点も多く、物件の探し方も、商業物件専門のウエブサイトがあり（代表的なサイトはrealcommercial.com.au）、取り扱っている不動産
会社も商業物件専門の会社が主流を占めています。

商業物件の賃貸では数年以上の賃貸期間を求められる場合が多く、ビジネスがうまくいかずに賃貸期間終了前に店舗やオフィスを閉めることになった場合も、 契約期間終了迄 は家賃を支払う義務が有りますので注意しましょう。また逆にビジネスがうまくいっていて賃貸期間を延長したい場合、賃貸開始時の契約に賃貸更新のオプションが付 けられていれば 問題有りませんが、オプションが無い場合は、最初の契約が終わった時点で契約が切られる可能性も有ります。長い間ビジネスをするつもりで店舗の改装等に大金を投じたのに退去を迫られ
た、ということがないように 気をつけましょう。

商業物件の家賃は、その所在地や広さ、物件の条件によって決定されます。物件やオーナーさんによっても決め方は異なりますが、一般的 にはその エリアの類似物件との比較から平
米当たりの家賃を決め、それに該当物件のスペース（ m2） をかけたものが年間家賃となります。それを 12か月で割って消費税GSTを加算したものが１か 月分 の家賃となります。例えば
平米あたり $300、50m2 のオフィスであれば、年間の家賃は$15,000+GST。１か月の家賃はGST込 みで $1,375となります。家賃の支払い期日は契約によって異なりますが、１か月分を先
に支払う場合が多いようです。家賃は毎年消費者物価指数分は値上げされるケースが殆どですが、契約によっては毎年数パーセントを値上 げする、と 決 められている 場合 もありますし
、テナントさんのビジネスの売り上 げに 応じて家賃が上乗せされることも有ります。

契約によっては入居時にセキュリテイボンドと呼ばれる保証金を求められる場合 もあります。入居後の経費についても、電気代や水道代等以外に、管理組合費や市税もテナントさん
が支払う場合も有ります。全 ての 条件は入居時の契約によって決定されます。契約条件はそのテナントさんのビジネスの安定性や将来性にも影響を受 けますので、 好条件での契約が出
来るよう、正確な会計資料等を準備しておかれることをお勧めします。