最近、「サービスを受けた会社についてインターネットでネガティブなコメントをしても問題ないですか?」といった質問を受けました。
法律上、サービスを受けた会社の評価をインターネットのような不特定多数の方が目にするメディアへの掲載についての注意しなければならないのは、それが俗にいう“誹謗中傷”にならないかです。クィーンズランド州ではDefamation Act 2005という州法があり、基本的には事実と大きくかけ離れている摘示がなされ、それによって社会的評価を低下させた場合にのみDefamation
が成立します。Defamationの適用は主に著名人や有名人がメディアなどで不当な損害を被った際に用いられ、悪意をもって虚偽の内容で悪口を書く行為は民事上の損害賠償請求の対象となり、クィーンズランドでは最高25万ドルの請求が認められている他、刑事事件の場合は3年以下の 懲 役 刑が 設 定されています。
Defamationのプロセスでは裁判をするにあたって事前通達が行われ28日間の猶予期間が裁判開始までに設けられますので、その間に記事やコメントの撤回、謝罪や妥当なコストの支払いを行う事で裁判を回避する事ができます。裁判所では悪質性があるかどうか、社会秩序の維持を重要視していますので、社会ルールや法律を蔑ろにするようなケースにおいて初めて高額な請求が認められます。
最近ではグーグル・レヴューやトリップアドバイザーなどで利用者が星をつけたり、コメントを書くことができますよね。これはオピニオンなので正当な評価である場合は特に問題ありま
せん。
以上の理由から社会通念上で悪質と見なされなければ問題ないとは思いますが、敢えて問題が起きそうな場合はコメントを控えられた方がいいかもしれませんね。