オーストラリアで刑事裁判を受けることになったのですが、これって前科が付きますか?
日本では有 罪 判 決を受けると必ず前科がつくことになり、その人が生きている限り、一生前科の記録が保管され続けます。他方、オーストラリアではシステムが異なり、裁判で有罪判決が下される際に裁判官 が有罪判決を記録する旨のConviction Recordedの判決を出すことによりConviction(有罪)の記録が付きますが、諸事情を考慮して悪質性がなく、再犯の可能性が低いような場合にはConvictionの記録がつかないケースもあります。
Convictionの記録は一般に公表されるわけではありませんが、何かあったときには政府や捜査機関に参照されますし、次に何らかの罪を犯した場合には記録が照会されて、より重い刑が下されることになります。このConvictionの記録が付いてしまいますと、海外渡航、特にビザや永住権が降りないなど様々な場面で制約を受けるだけでなく、就職先の規定によっては過去の犯罪歴
を自主的に開示しなければなりませんので、就職を希望した企業に就職できない等の不利益を被ることになります。万が一、会社員の方がConviction Recordの判決を受けた場合、会社から懲戒解雇処分を受ける可能性もありますので、裁判官がConviction Recordの判決を出すかどうかはあなたの一生を左右しうる重大な岐路となりえます。従って、もしConviction(有罪)の記録が付くと困るような状況でしたら、たとえ軽微と思われる事件で起訴された場合でも、Convictionの判決を避けるために弁護士をつけて万全の準備で減刑の嘆願をする意味は大いにあるといえます。