今回はちょっと番外編でケアンズのような熱帯とは真逆で、日本で例えるなら北海道のような気候のタスマニア島にすんでいる悪魔・タスマニアデビルをご紹介します。さて、本当にタスマニアデビルの生態は悪魔のようなんでしょうか?
その1鳴き声がデビルの由来!?
タスマニアデビルはサイズ的には小型犬と同じぐらいで、とてもデビルなんていうコワい名前をつけられるようなサイズではないのですがオーストラリアの有袋類の中では最大の肉食獣です。その可愛い見た目とは違いタスマニアデビルの噛む力はオオカミと同じぐらいだとされています。夜行性で夜に狩りをしたり動物の死肉を食べるのですが夜の静かな時間に動物の肉を骨ごとをバリバリ嚙み砕く音が聞こえたり、他のタスマニアデビルに獲物を横取りされないようにだす威嚇のためのうなり声のような鳴き声や獲物をめぐっての激しい争いの姿がデビルの名前の由来だそうです。近年は車に轢かれたワラビーの死体を食べる姿も目撃されています。鳴き声が気になる方はインターネットで検索してみてくださいね。
その2 タスマニアデビルはお尻で見わける?
ケアンズの動物園ではキュランダ村のレインフォレステーションの一頭しか会うことができませんが、メルボルンやシドニーなどの動物園ではたくさんのタスマニアデビルが飼育されいます。飼育員さんたちはどこで、それぞれの子たちを見わけているのでしょうか?それは、胸のあたりにある白い毛とお尻(腰のあたり)のあたりにある白い毛の模様でみわけています。白い毛の模様がそれぞれ違うので、それを覚えるのが分かりやすいのです。
タスマニアデビルが絶滅する!?
タスマニアデビルは、この20年で数が激減してしまいました。原因は1996年にはじめて報告されたデビル顔面腫瘍性疾患(DFTD)でデビル癌ともよばれています。顔に悪性の腫瘍(顔の一部がはれてふくらむ)ができて、やがてそれが大きくなり約半年ぐらいで目や口をふさいでしまい食事を食べられず餓死してしまいます。2008年には絶滅危惧種に指定されてしまい、将来は確実に絶滅すると言われてきました。タスマニアでは大規模な保護プロジェクトが実施されており、健康な個体だけを安全な島に移動させて繁殖させたり、ワクチンの開発も進められています。しかし、驚くべきことは最新の研究では明らかになってきましたが、タスマニアデビルが自力で進化して病気を克服しはじめているようです。他に類を見ない短期間での病気への適応進化で、タスマニアデビルは自力で絶滅の危機を回避するかもしれません。