家やユニットを借りる際、ペットを飼う方は不動産管理会社や大家さんへ事前申請が必要です。賃貸契約書に記載が無く、内緒でペットを飼った場合は契約違反となり、場合によっては物件からペットを退去させることを求められます。
ペットは家族の一員で、家やユニットを借りる時に「ペットを受け入れてくれる事が条件」という方も少なくありませんが、昨今「ペットは受け入れない」という管理会社や大家さんが増えてきています。この背景には以下のような事情が有ります。
今年の初めまで、クイーンズランド州の不動産管理会社の多くは「ペットを飼っている人が退去する際、賃借人は自分の費用で専門業者によるノミ駆除を行う事」を条件として賃貸契約書に明記していましたが、それを不服とした賃借人が裁判をおこし、裁判所は「賃借人はノミ駆除に専門業者を雇う必要はない」という審判を下しました。これにより不動産管理会社は「専門業者
によるノミ駆除」を賃借人に強制できなくなりました。その後、ある賃借人が自分でノミ駆除を行った物件で、駆除に使った薬剤が人体に影響を及ぼす物であったため、その物件は人が住めない状態になるという事件が起こりました。その薬剤除去にも費用がかかり、また賃貸できない期間が生まれ、大家さんにとっては経済的に大きな負担となりました。
上記のような事情で、不動産管理会社も大家さんも、退去後に問題となる可能性が有るペットのいる人への賃貸は出来るだけ受け入れたくないという流れになってきています。業界団体は「専門業者によるノミ駆除」を認めるよう政府に働きかけをしていますが、改定されるまでには時間がかかりそうです。
賃貸空室率1.9%のケアンズで、ペットを飼っている方が賃貸物件を探すのは厳しい状態となっています。ペットの居る方は「退去する時には自分の費用で専門業者によるノミ駆除を行います」と自分のほうから管理会社に書面で伝えるというのも一案かもしれません。自分達が退去した後に家を借りる人が犬の毛アレルギーの場合も有ります。ペットが自分にとって大切であるのと同じように、大家さんにとってその家は大切なものであることを理解しましょう。