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ケアンズ療法のすすめ       

ゆっくりの大切さ

2010年06月29日

最近、いくつかのアイデアを実現するために、自分ではできないことを、人にお願いすることが多くなりました。

そうすると、締め切り時間に間に合わず、謝られてしまうことも多くなりました。

  

日本で仕事の打ち合わせをすると、

「ごめんなさいまだ終わっていません」

「いえ、ゆっくりでいいですよ。気にしてませんから」

「いえいえ、それではいけません。必ずいついつまでに終わらせます」

そのいついつが何度か延長され、また謝られてしまいます。

こちらも何か申し訳ない気分になり、「誓ってはならない」という新約聖書の教えが思い出されたりもします。

 

時間と病気の関係も知られています。

あまり時間に追われるとことは、精神的ストレスになり、心血管疾患や精神疾患の危険因子であることがわかっています。

 

それだけでなく、単純な労働ではない、良いアイデアを出すことを必要とする仕事の場合には、リラックスした環境で、脳が十分に機能することが望ましく、アッという思いつきのために、脳の神経間結合の変化が必要であるという、物理的な制約にとらわれますから、やはり、あまり時間に追われることはよくないのではないかと考えています。

そのため、時間だけにとらわれすぎると、結果が出ずに気ばかりあせることになるのかもしれません。

 

どのように頑張っても、3分間のカップラーメンのようには、すぐに結果が出ないのがガーデニングです。

  

裏庭のクレマチスですが、土作りに2年、植えつけから3年でようやく屋根に届くまでに成長しました。(ミミズコンポストなしで)

  

ただし、最短で達成する努力もしています。

  

一年目は花つきは期待せずに水と肥料を十分に与えて、葉と根をできるだけ成長させ、2年目以降は花つきをよくするために、水と肥料を絞り気味にして日光には十分に当てるという戦略をとっています。

 

  

植物を育てていると、必要な結果のためには必ず必要な時間があり、かといって、色々な工夫をすれば時間を節約する方法もあるという、悩ましい事実を教えてくれる気がします。

  

ケアンズにいると、ゆったりとした時間がすぐに流れてしまうような気がします。

  

次回は、このように健康とかかわりを持つ、時間について考えてみたいと思います。

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プロフィール

ymitsuiymitsui
三井 康利。 1972年静岡県生まれ。 1997年北里大学医学部卒。 内科医。 現代西洋医学と補完代替医療、思想・哲学の良い点を取り入れ、ホリスティック(全人間的)な視点から医療を考察・提案。 臨床医として日常診療に役立てている。 資格:日本内科学会認定医、日本補完代替医療学会学識医、日本温泉気候物理医学会温泉療法医、日本旅行医学会認定医、日本消化器病学会専門医、日本消化器内視鏡学会専門医。
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