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インドの歩き方
2011年12月16日
デリー、それはやかましい街でエネルギッシュな街だけど抜け目ない街だった。
バス停から降りると、朱の少し混ざった黄色い歯の親父達のリキシャー軍団が固い結託のもと、
お決まりの外国人料金をふっかけてくる。
辺りはもうすっぽりとした闇の中で、バスターミナルを照らす純粋なオレンジの光と
小型車の汚れた黄色いライトが夕闇ぐらいの光を吐き出していた。
デリーに到着する前に体調を崩していた僕は、このやるせない値段交渉に怒りと妥協の
入り混じった感情を彼らにぶつけた、この圧倒的に選択権のない状況に屈服したくなかった。
だがこの値段交渉はどっかりと目の前に鎮座した山のように動くはずもなかった。
また心がメラメラと燃え上がった。
そしてついに行動に起こす。
一度リキシャーに乗せたバックパックをひったくり、再度背負ってホテルまで歩きだした。
三車線程のアスファルトの道路を、光沢を持った自動車達が後ろからすぐ真横を
颯爽と埃を巻き上げてすり抜けていく中を、たどたどしく。
正直まったく方向も分からない。だけど歩き出す。
インドを旅してはや1か月、もうたくさんだった。
後ろを振り返らず200m程歩き出す。やがて排気音を辺りにまき散らしながら一台のリキシャーが追いかけてきた。
よし、キタ!
このリキシャー、予めホテルを予約した時に聞いておいた値段で一度はいいと言ったのでバックパ
ックを荷台に置いたものの、周りの圧力で倍以上の値段に変更した男だった。
さっきの“圧倒的な選択権”は、今度はこちらにある。
そびえたつ山のように圧倒的に、この小型車を言い値で走らせ、心地よい風を浴びると勝利感に感情が少し上向きに上がった。
よし、これでいい。これがインドの歩き方だ。
こんな感じで今、執筆しています。
描き貯めたら何かしらの手段で発表するつもりです。
プロフィール
- seiji_yamauchi
- 1997年オーストラリアから旅を始め、約一年半、撮影旅行をしながらオーストラリア、東南アジアを旅する。その旅行中に南オーストラリアのアデレードのメインストリートで見た世界中のストリートパフォーマー達に刺激を受け、一緒に絵を描き始めた。 それが初めてのパフォーマンスアートとなった。 一度日本に帰国し、そこから中国の北京に渡り、ロンドンまでの約15,000kmを陸海路で3ヶ月間、8ヶ国を撮影旅行しながら横断を達成する。 その後、オーストラリアの永住権を取得。ケアンズで4年留まり、写真展、絵画展、オリジナルパフォーマンスアートを展開。 ダンスパフォーマンス、ミュージカルなどにも出演し、自己表現の研鑽に努める。 2006年2月から5ヶ月かけてインド陸路10,000kmを撮影旅行する。 その後、モルディブ、パリに滞在後、中国を横断した。 日本に帰国後、“芸術の融合”を企画、プロデュース。オペラ歌手、ピアニスト、日本舞踊とのコラボレーションを行った。 現在、東京都に在住。日本の美の再認識、“芸術の融合”を意欲的に展開していく決心をする。
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