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ケアンズ療法実践編・記憶力アップ
2011年01月12日
もうすぐ受験シーズンなので、たまには、抽象的な精神論ではなく、役に立ちそうな具体的な話題を。
私の父は、私が小学生の頃、国語辞典を隅から隅までノートに書き写せということを命令しました。サボれば愛のムチ、容赦のない鉄拳の制裁。
学習ストラテジーは全くなく、非効率な学習法を押し付けられ、結果だけは求められる、まさに苦行。しかも、まったく意味を感じられない内容に、内的動機がわくはずもなく、ただノートに書き写すだけで、全く覚えていません。いわゆる無駄な努力です。
しかし、これは我が家に限ったことではなく、苦行だけが良いと盲目的に思い込んだ、昔の日本の悪しき習慣のように思われます。
学校でも四当五落(睡眠時間四時間は合格して、五時間は落ちるという意味です)なんて言葉もありました。
逆境は鍛え、順境は伸ばします。逆境だけでは人生だめです。
本当に無駄なことをしていたな、という思いが強いので、今の生徒さん学生さんには、同じ道をたどって欲しくありません。
勉強の前に能力開発を、という考えは昔からあります。
ヨガでは、マントラ・ヨガという、ある言葉を唱えて、それに意識を集中することで、記憶力を増強させる(真理にまで到達できる)方法があります。試しにこの方法で瞑想してみると、ムーラダーラとアジナチャクラに気が集まります。記憶力が増強される以前に、20回くらいで頭がクラクラしてきます。(ヨガの分野は、変に超能力をつけようという欲が大きいと、危険なのに止めらなくなるので本当に注意が必要です)
この行は、入試レベルでは、あまりにも大変すぎるような気がします。
簡単にできる瞑想法では、見たものを(目に害にならない程度に光の強いもの。月や、沈む直前の夕日などがやりやすくておすすめです)を目を瞑ってそのまま再現するようなイメージ瞑想法も記憶力アップに役立つような気がしています。
心医術もお勧めできます。バランスのとれた食事、適度な運動、適度な睡眠、ストレスマネージメントによって、学習に使える脳のワーキングメモリーの容量は増え、長期記憶への固定もスムーズに行われます。そうすると、眉間に皺をよせてひたすら暗記するということが少なくなり、結果も出てきて、勉強が楽しくなりますから、机に向かう動機付けもついてきます。
ストレスマネージメントにかこつけて、快楽に流されないようにすれば、受験の追い込みはケアンズでというのも良いかもしれません。
他にもいろいろな勉強法や、記憶力の増強法があるでしょう。
人間の記憶力の可能性は大きく、古代ギリシア人は、会堂に集まる多くの人の名前を一人残らず憶えていたという記録もあります。(紙とペンと文字の発明が、この能力を退化させたといわれています)
とにかく、まずは、正しい学習方法を学ぶことです。何の戦略もなく机にかじりつくのではなく、急がば回れ。苦行は法が正しくてはじめて結果につながります。
年を取るにつれて記憶力は落ちるといわれていますが、私自身、記憶力がアップしていることを実感しています。しかも、小さい頃の記憶までが鮮明に思い出されるようになってきました。
長期記憶が増強することは、将来の良い出来事への期待という「希望」が増える一方、悪い出来事への「不安」も増えます。
諸刃の剣ですから、ヨガのヤーマ、ニヤーマを実践して、良い種をまくようにし、悪い種をまかないように注意する必要もあります。
お試しあれ。
プロフィール
- ymitsui
- 三井 康利。 1972年静岡県生まれ。 1997年北里大学医学部卒。 内科医。 現代西洋医学と補完代替医療、思想・哲学の良い点を取り入れ、ホリスティック(全人間的)な視点から医療を考察・提案。 臨床医として日常診療に役立てている。 資格:日本内科学会認定医、日本補完代替医療学会学識医、日本温泉気候物理医学会温泉療法医、日本旅行医学会認定医、日本消化器病学会専門医、日本消化器内視鏡学会専門医。
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