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思えばあれもくじらからのメッセージ?
2009年03月30日
思えば今から1年前の事。
イースターホリデーの頃は毎年我が家では日本への家族旅行のシーズンです。
日本を周遊できるレールパスを購入し旅をするのが恒例ですが
昨年は日本地図をパッと開いたところに行こうということになりました。
滞在先の宿もその日の気分でインターネットで予約が出来るご時世です。
目をつぶってめくったページは
北海道でした!
今思えばこれも今回の「くじらと泳ぐ」プロジェクト」にとって偶然ではなかったと思います。
東京から新幹線で青森、電車を乗り換えて青函トンネルをくぐり北海道函館へ。
その年オーストラリアでは捕鯨に関するニュースが頻繁に取り上げられていて
日本の調査捕鯨に反対をする団体などの活動が連日報道されていました。
捕鯨に関しては世界の中でも最も反対の姿勢を示しているオーストラリア。
日本とオーストラリアの国交は友好的な関係を続けていますが、
この調査捕鯨のことでは両国間の政府を巻き込んでの非常に緊迫した状況にまでいたりました。
北海道で私はくじらに関してなぜか「いたこ」のような体験をしました。
「いたこ」とは東北地方でこの世とあの世の口寄せをする巫女さんのことですが、
ある日本人の男性が私に訊ねました。
「オーストラリアではなぜ暴力的に調査捕鯨に反対するのか」
非常に敏感な話題でもあったので、
わたしはかつてゴールドコーストで体験した
くじらとのすばらしい遭遇についてだけ話しました。
また、予定外に比羅夫という小さな駅の宿に泊まったとき、
何気ない駅の落書きに恐らく外国人観光客が書いたのか
[Don't eat me] の横にくじらが涙を流している絵がありました。
比羅夫はニセコという有名なスキー場がある隣の駅で
ここ数年はオーストラリア資本のコンドミニアムが出来たり
ミニ・オーストラリア村が出来たりしているそうで、
スキーシーズンには真夏の南半球からパウダースノーを求めて
多くのオーストラリア人が訪れる町です。
「日本の人は捕鯨の事をどう思いますか」
突然聞きなれたオーストラリア英語で見知らぬ人に話しかけられたとき
「日本では捕鯨に反対する外国の保護団体の過激な行動がクローズアップして報道されているようにおもいます」
「日本人の全てが調査捕鯨を歓迎しているわけではありません」
と答えました。
オーストラリアの報道では若い日本人女性がくじらのハンバーガーをほおばったり
血を流す大小のくじらの姿が流れたり国民を必要以上に刺激するような報道があって悲しい、とも伝えました。
函館に戻ると漁業の盛んな街だけあり駅前の市場には
様々な魚介類の店に並んでくじらを扱うお店も少なくありません。
長い間私と夫の間ではこの微妙な話題に対してあえて深く意見を交換することは避けていたところがあります。
けれどその日は私とイギリス人の夫にとって見えない境界線を越えてくじらのことについて
深くディスカッションする機会をもたらしました。
私はくじらが日本の伝統的な食文化や産業を支えてきたことを理解したうえで捕鯨には賛成しない立場でいます。
以前、捕鯨とくじらウォッチングが両方行われている日本の町で
船に近づいてきたくじらが捕獲により船を恐れるようになり
くじらウォッチングの船まで避けるようになったという記事を読みました。
私はゴールドコーストの沖合いで船からの歓声に応える様に近づいてきたくじらの様子を
思い出し胸が苦しくなりました。
それから1年後。
私はこうして不思議なリレーで海からのメッセージを受け取りました。
調査捕鯨反対のシュプレキコールをあげて戦う必要は私にはありません。
暴力で相手に体当たりする気もありません。
その代わり私はくじらのことをもっと知り、くじらのことを人々に伝え
美しい海に住むこのジェントルジャイアント(優しい心をもった巨大な生き物)と
もっともっと近づきたいと思います。
それが海からのメッセージ答える私の在り方です。
Kiyomi Mackay- くじらと泳ぐ日まで
プロフィール
- kiyomi
- マッカイ清美 東京都調布市出身 日本でナレーターを経てテレビレポーターに転進。 民放各局クイズ番組レポーター、スポーツキャスター、ダイビングレポーター、 ワイドショーリポーター、コンベンション・婚礼司会業、話し方教室等を主宰。 2000年にオーストラリアに本格的に移住。 2001年から2006年までの5年間ケアンズJTB及び TPOCEANIAにてツアーガイドを経験。 現在、英国人の夫とオーストラリア生まれの娘と3人でゴールドコーストに在住。 2008年、ライフコーチ、自己啓発関連のビジネスを起業し 人々が幸せで自由で豊かになるための智恵を広めるための 事業を展開中。 またかねてからスピリチュアルなヒーリングに関するテーマにも 興味が深く、人の心のブレークスルーや気づきをライフワークにしています。 オーストラリアを軸に世界中を旅をしながら自己啓発に関する執筆活動を進めています。
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