▲日本から自由にお買い物!
人気&オススメブログ
ケアンズの注目キーワード
芸術と医療
2013年10月20日
こころの働きが身体に影響を及ぼすことは、すでに気付いて意識が向くようになった方々にとっては疑う余地の無いものですが、こころの良い働きが身体に良い影響を与えることもまた疑う余地の無いことです。
アリストテレスも、美にはカタルシス(精神の浄化)の作用があると言っておりますが、美を見たときに自分の身体にどのような反応が起こるのかを注意深く観察していれば、過去の賢人の言葉を借りるまでも無く至極当然のことでもあります。そして、アリストテレスの記録からわかることは、理性の存在に気付いたギリシアの時代から、人類が引き継いできた素晴らしい認知システムともいえます。
こちらは、私が尊敬しています芸術家、Noaさんの絵です。
最初見たときの第一印象をかなり頑張って言葉にしてみると、美しい調和というのが頭に浮かびます。それぞれが何かに見えるんですが、はっきり何っていう形ではないのです。でしゃばりな左脳が川だのバスタブだの張り切りますが、掴めないのです。それなのに、混沌ではなく、秩序があって、調和があって、美しく、魂が鎮まる感じがする。ゲシュタルトが崩壊した美しい世界。もうすごいです!!!
こころにスッと入ってきて、変な重ーい余韻はなし。モヤモヤが解消されます。
アボリジニの絵を見たときも似た印象を感じたけれども、また少し違う。こちらに展示されていますので、見る価値アリです。
そして、写真で持っている絵を購入させていただいたのですが、こうのとりが子供を運んでくるイメージを描いたそうです。子供の誕生を、卵管膨大部で受精して子宮に受精卵が着床して細胞分裂をしてなんて、生命の循環の一部分だけを切り取り物質化するくだらない科学的ビジョンよりも、この絵のビジョンのほうが生命をより正確に表現している、だからこころにスッと入ってくるのだと思います。
ランチを食べながら色々興味深い話も聞かせてくださいました。
印象に残ったのはNoaさんの神秘体験です。
以前にも紹介したことがありますが、神秘体験は河原道三氏のホームページで本当に詳しく解説されています。
http://www.lcv.ne.jp/~kohnoshg/site1/
この中で、上村松篁「私の履歴書」の状況がとても似ているように感じます。
Noaさんは細胞を見るのが好きで、顕微鏡で細胞に見入った翌朝、起きたときに突然手のひらに世界があって、自分が生まれてきた理由とか、全てのことがわかって、自然に涙が出てきたと話してくれました。
主客合一が起こったのでしょうね。
調子がよく絵を描いていたときには、世界に入り込んで、でも今はそれが出来なくなって自信がないと言っていました。
河原道三氏のホームページから「林武の二回目の体験」に同じような記述がされていますので引用させていただきます。
画業がうまくいかず、
落ち込んで、
いらいらとし続け、
自分の方向性が定まらず、
考え込み、
懊悩し、
尚且つ、
それでも「やるぞ」、という姿勢を維持する内省的な精神構造
煮詰まると爆発するんでしょうね。ヨガと似ています。
Noaさん、次のインスピレーション期は必ず来ますよ~!!!
苦悩しながら神秘の世界を表現してくれる、偉大な芸術家の方々には、深い尊敬と感謝を感じます。
来月ケアンズに行くときには、アボリジニアートとケアンズの自然の美しさに浸ろう!と思います。
プロフィール
- ymitsui
- 三井 康利。 1972年静岡県生まれ。 1997年北里大学医学部卒。 内科医。 現代西洋医学と補完代替医療、思想・哲学の良い点を取り入れ、ホリスティック(全人間的)な視点から医療を考察・提案。 臨床医として日常診療に役立てている。 資格:日本内科学会認定医、日本補完代替医療学会学識医、日本温泉気候物理医学会温泉療法医、日本旅行医学会認定医、日本消化器病学会専門医、日本消化器内視鏡学会専門医。
このコメント欄の RSS フィード コメントはまだありません »
コメントはまだありません。
コメントをどうぞ
トラックバックURI:
http://www.livingincairns.com.au/%e5%8f%a3%e3%82%b3%e3%83%9f%e3%83%bb%e3%83%96%e3%83%ad%e3%82%b0/%e8%8a%b8%e8%a1%93%e3%81%a8%e5%8c%bb%e7%99%82/trackback/