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■その58「老人だってターミネーターファン」
2007年09月05日
▲「赤ちゃん連れで映画を!」のポスター |
英 語圏であるオーストラリアでは、ハリウッド映画などがいち早く公開される。またロードショーであっても、入場料が大人13ドル(1000円位)、子供9ド ル(800円)、お年寄り6ドル(500円)と安いことから、映画は子供から老人まで楽しめる娯楽のひとつとなっている。
映画館ではユニークなサービスも提供している。
お酒や食事を注文して、テーブルにつきながら映画を楽しめる特別な席を用意した映画館もある。
日本でいうカップルシートの高級版。ちょっとした記念日に贅沢気分を味わえるので、やはりカップルに人気とか。
月に何度か"Babies in Arms"という時間を設けるサービス。このサービスは、赤ちゃん連れで映画館に来てください、というもの。
照明も通常の半分くらいの明るさにしているので、赤ちゃんにミルクやおやつをあげることもできる。子供が泣いたり立ち歩いても、お互いさまなので気にしなくても良い。若いママ達には大好評だ。
老人の入場料がディスカウントされているので、近所に住む年配の夫婦は週一回必ず映画館に出かけている。
75歳を過ぎたおじいさんおばあさんと「ロード・オブ・ザ・リング(指輪物語)」や「ハリー・ポッター」「ターミネーター」などの話ができるのは、とても楽しい。ちょっとした驚きだった。
日本にはない厳しい映画の視聴制限があるのも特徴だ。映画館に貼ってあるポスターには、タイトルの横に、
"G"(年齢制限なし。子供向き)
"PG"(15歳以下の子供でも親と一緒に楽しめる家族向き)
"M"(15歳以下で親が同席しなくても可)
"MA"(15歳以下は大人の同伴が必要)
"R"(成人向け)
などの記号が大きく記されていて、子供を持つ親には良い指針となる。市販されているビデオやDVDにも必ずこの表示があり、その他、大人向きなテーマで ある、とか、使われている言葉のレベル、セックスシーン、暴力シーンなどの有無、などが細かく説明されていることもある。
見たことのない映画でも子供に見せてよいかなど、ある程度判断ができるので、なかなか良いシステムだと思う。ちなみにアカデミー賞にノミネートされた「ラスト・サムライ」は暴力シーンが多いとされ、"MA"だった。
この視聴制限を厳格に守っている家庭もあり、そういった家庭の子供が遊びに来たときには「今日は二ールがいるからPGしか見られないよ!つまらない な〜」などと子供の間で話題になる。親としては「そういう家庭の方がちゃんとしている」と思ったりするのだが…。
昨年息子の誕生日会のことで、ちょっとした事件があった。息子が誕生日プレゼントとして買ったDVDが"MA"だった。学校でその映画の話をしていた ら、息子の誕生日会でそれを見せるという噂になり、招待した7人中2人の親から「それは困る」と電話がかかってきた。
もちろん見せるつもりはなかったのだが、あまり映画の視聴制限を気にしていなかった私にはよい勉強になった。
オージーの友人からも「友達の家でのお泊まり会(Sleep over)や誕生日会には注意した方がいいわよ。家によっては平気で大人向けのビデオを見せるから」とアドバイスを受けたことがある。
確かに、誕生日会で見る映画のタイトルまで書いてある招待状も何度か受け取った。学校でも授業の一環で映画を見せるときには、親に許可を求めたお知らせを出すことが多い。
日本は教育熱心だが、子供が見るテレビや映画の内容に関して無関心すぎるのではないだろうか。オーストラリアはとても自由な国でありながら、家庭や社会が子供の成長をきちんと見守っているように思うのである。
Matthew:(現在日本からケアンズへ一時帰国中。1週間で日本が恋しいとか?)
■コメント:"When I was younger, I had a friend come to stay over one night. We stayed up and watched an R rated horror movie. That night he couldn’t sleep and was really scared, so he called his parents to come and get him and take him home. When his parents came and found out that we had watched an R rated movie, they had a fight with my parents about it. My parents used to let me watch whatever I wanted to, they don’t care. Needless to say he was never allowed to come over to my house again."
(ボクが子供のころ、友達が泊まりにきた夜に、R指定のホラー映画を見たんだ。その晩友達はひどく怖がって、眠れなくなっちゃたんだ。それで両親に迎えに 来てもらうように、彼が電話したんだけど、両親はボクの家で、R指定の映画を見たことを知って、うちの親ともめたんだ。うちの家は僕が見たいものは何でも 見せてくれたし、そういうことにうるさくなかったからね。それからは、彼は僕の家に出入り禁止になっちゃったんだよ)
Caitlin:(携帯好きの高校1年生 学校とクラブ活動に忙しい毎日)
■コメント:"I think movie ratings are good- it means little kiddies can’t get into movies with over the top violence and naked people! Can you imagine if some kid that is 5 years old was watching an R rated movie- they would be scarred for life! My parents aren’t too strict,,, they let me watch movies within reason. I think some parents are too strict maybe, but generally I guess most people are pretty easy going!"
(映画の視聴制限というのは、良いことだと思うわ。小さい子供が暴力シーンの多い映画やハダカがたくさん出てくる映画を見られない、っていうことでしょ。 5歳の子供がR指定の映画を見たらどうなると思う?生きていくことが怖くなっちゃうでしょ。私の両親はそれほど厳しくないけど・・・ちゃんとした映画なら 見せてくれるわ。厳しすぎる親もいるとおもうけど、だいたいの人はいい加減じゃないかな)
Jose:(ブリスベン郊外に新居を建設中で、家のプランに頭を悩ます日々)
■コメント:"Movie ratings are very important, it gives an instant indication about the movie. Example: `PG`means `Parent Guidance` so you can imagine what might be in the movie. Also, there are a lot of movies with violence in it these days. If you see the `V` for violence you know what’s in it. I personally think violence has worse influence than sexual references on our young generation."
(視聴制限はとても大事だと思うわ。その映画の傾向を教えてくれるもの。"PG"というのは"両親の指導のもと"という意味だから、どんな内容かだいたい わかるでしょ。最近は暴力シーンのある映画が増えてきたわね。"V"という表示は"暴力"の意味だから、そういうシーンがある、ということ。私としては、 若い世代に対して、性的シーンより暴力シーンの方が悪い影響を与えると思うわ)
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