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エッセー

■その70「愛国心を学ぼう」

2007年09月05日

 
 
 

▲バスタオルまでオーストラリアの国旗

 

 オーストラリア人の多くは、広い大地や恵まれた資源を持つこの国を誇りに思っている。車のナンバープレート、バスタオル、Tシャツなど色々な所にオーストラリアの国旗が描かれ、ひとつのファッションになっている。

宅配のピザを頼むと、箱の表面には、「Aussie! Aussie! Aussie!」と大きく印刷され、100%オーストラリア資本の会社であることをアピールしている。

日本でもし何かのパッケージに「日本!日本!日本!」と印刷してあったら、若い人はダサイと感じて購買意欲が落ちるかもしれない。

オーストラリアディ(オーストラリアにイギリス人の入植が始まった記念日)には、頬に国旗のフェイスペイントをしたり、「今日はせっかくだからオースト ラリアらしいことをしよう!」と家族でBBQを楽しんだり、アンザックビスケットやラミントン(ココナッツをまぶした四角いケーキ)、パルオーバー(メレ ンゲのケーキ)などのオーストラリアを代表するお菓子を食べたりして、皆でお祝いをする。

あるラジオ局ではこの日一日中オーストラリアの曲だけを放送していたし、小さな国旗を立てて走っているタクシーも見かけた。日本では、祝日に国旗を掲揚している家をたまに見かけるが、最近は随分少なくなった。

オーストラリア人は気軽に"I love Australia." "I am lucky to be Australian."と口にする。「ニッポン、チャチャチャ」はサッカーのワールドカップ以来流行っているものの、「日本大好き」とか「日本に生まれ てラッキーだ」とはあまり聞かない。

日本語の「愛国心」という言葉は、ほとんど死語のようになってしまった。しかし、一旦、外国生活を経験すると、日本の素晴らしさが見えてくる。アメリカ やオーストラリアのように若い国々からみると、何千年も前から培われた歴史、文化を持っている日本は憧れの対象だ。

トヨタや日産などの車、ソニーやパナソニックの電気製品は、なかなか手に入れることが出来ないブランド品。そして、最近では「ラスト・サムライ」「たそ がれ清兵衛」「千と千尋」などの日本を舞台にした映画やアニメが外国で高い評価を得ている。

私達日本人にとっても日本人であることを誇りに思える機会が増えてきた。そして何より、オーストラリア人のように、素直に自分の国を好きになり、誇りに思える事は素敵なことだと思うのだ。


Dorota:(教え子の小学生達も「日本大好き!」にしてしまうほどの親日家)
■コメント:"I think that the Japanese blindly follow American culture. Many reject their own culture instead of being proud of who they are and what they have achieved. Speaking about the Americans, they are crazy! They are overconfident and sometimes I feel embarrassed for them because they are so cocky. They take their patriotism too far, whereas Australians are more balanced. They are proud of who they are and their country. Maybe they are in between Japanese and Americans."
(日本人は盲目的にアメリカ文化に追従しているように思うわ。自分たち固有の、これまで作り上げてきた文化を誇るどころか、それを拒否しようとしている。 アメリカ人のことを言わせてもらうと、彼らはクレージーだわ。自信過剰であまりにも威張っているからイヤになってしまう。愛国心が強すぎるのね。オースト ラリア人はもっとバランスがとれているわよ。自分たちや自分の国に誇りを持っているの。ちょうど日本人とアメリカ人の中間といったところね)

 
 

Cheryl:(保健婦のヘッドとして、地方を飛び回り忙しい日々)
■コメント:"I have traveled through Europe a couple of times and everywhere you go, doesn’t matter what country you are in, people are very accepting of you when they find out you’re Australian. I remember if I was wearing an Aussie shirt or hat or a Driza-Bone Jacket, people would recognise I was an Australian and yell ‘Aussie Aussie Aussie, oi oi oi!’. Even now in my sons generation he has had the same kind of experiences as I did."
(ヨーロッパを何度か旅行したことがあるけど、私がオーストラリア人だとわかると、どの国でも歓迎してくれたわ。オージー・シャツや帽子、Driza- Boneのジャケットを身につけていると、私がオーストラリア人だとわかって「オージー、オージー、オージー、オイ、オイ、オイ」と叫ぶの。私の息子達も 同じような経験をしたらしいわ)

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