- 2008年06月12日
ケアンズ緊急会議開く
6月7日のカンタス航空ケアンズ減便の発表を受け、翌日ケアンズの観光業界関係者、市長、港湾局、観光大臣が集い緊急会議を開いた。少なくとも1200人が職を失い、ケアンズの経済に年間で10億ドルを超す損失が見込まれるとあって、今後は市が一体となって動くことが期待される。
「今、フォーカスすることは前に進むこと」とケアンズ観光局ギーソン局長は言う。
アドバンスケアンズ局長カルダーウッド氏は、「これは観光業界だけの問題でなく、地区全体の向上に関わる問題だ」とその深刻さを強調。ケアンズ商工会議所のブロッキー所長は、「怒りを感じても、航空会社との関係はポジティブに保つべき。観光税を地元ビジネスが払って、観光促進に利用することを検討している」と述べた。
■ケアンズを訪れた日本人観光客数
2007年3月まで 211,877人
2008年3月まで 193,782人
■ゴールドコーストを訪れた日本人観光客数
2007年3月まで 178,600人
2008年3月まで 133,000人
■ファーノースクイーンズランド地区における海外からの観光客
(2008年3月まで)イギリスから 139,000人
アメリカから 102,000人
中国から 58,000人
ヨーロッパから 51,000人
ニュージーランドから 40,000人
6月8日の緊急会議で決まった主な事項は以下の通り。
ー カンタス航空減便によって、ケアンズに及ぼす経済的な影響の詳細データを出す
ー 日本人観光客数を少しでも保持するため、特に西日本からケアンズへ乗り入れる他の航空会社を誘致する
ー 中国や中華航空など、上昇中のマーケットへの働きかけを迅速に行う
ー 12月からの減便に備え、州政府からの400万ドルと同等額の援助金を連邦政府からももらえるよう要請する
会議参加者は「皆、これはケアンズや観光業界関係者だけの問題でなく、地域一帯の問題であることを認識すべき」と口を揃えた。
ケアンズ観光局、日本・グアム担当ディレクター、新堀氏は会議翌日より日本へ飛び、日本の観光業界及び航空会社と今後の展開についてを話し合う。
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ケアンズポスト紙、キング氏による辛口コラムを翻訳してみました。
(ちなみに彼の創作ですが、きれいごとでない、ジャーナリストの本音が書いてあります。)
ファーノースは死んだ。
栄光の日々は東南地区へ。
偶然聞いてしまった、今回の事件関係者の会話をご紹介しよう。
登場人物
●ケアンズ新市長バル・シアー女史(以下、シアー)
●ケアンズエリア代表議員 ジム・ターナー氏(以下、ターナー)
●カンタス航空トップ ジェフ・ディクソン氏(以下、ディクソン)
●クイーンズランド州首相 アナ・ブライ女史(以下、ブライ)ブライ:「乾杯!計画がやっと実行できたわね」
シアー:「どんな計画でしたっけ?」
ブライ:「バル、忘れたなんて言わないでよ」
ディクソン:「オレ、覚えてるよ」
ブライ:「あなたは覚えてなきゃダメよ、ジェフ。まったく…。カンタスのためにケアンズじゃなくてゴールドコーストに飛ぶんじゃないの」
シアー:「何故、ケアンズじゃなくてゴールドコーストに飛ばしたいの?」
ターナー:「それって労働党の家族を援助する計画の一環だっけ?」
ブライ:「あんた達を、どうして選挙に受からせたかわかってるの?」
シアー:「ケアンズのために立ち上がって、州政府を困らせないため?」
ブライ:「そうよ。でも秘密機関のために重要な役割を果たすためでもあったでしょ」
ターナー:「秘密機関?どんな名前でした?」
ブライ:「ビジネス&リーダー スタンド アゲインスト ケアンズ」
シアー:「ちょっと待って。そんな造語を多きな声で言ったら…」
ブライ:「私をテストしないでちょうだい。計画ではファーノース地区をつぶして、クイーンズランド州の東南地区を発展させていくんだから」
ターナー:「そうだよ、とても重要だ。ケアンズの観光業が下がって行ったら、みんな仕事を求めて他都市へ行くもんね。そうしたらインフラに巨大な費用をかけなくて良くなるじゃないか」
シアー:「そうね。病院も今のままでいいわね。ケアンズの人口が減ったら病院を使う人も減るから、新しい建物を建てたりする必要もなくなるし」
ブライ;「見かけより賢いじゃない、2人とも。秘密機関のメンバーになってくれて誇りに思うわ。カンタス航空の減便は、プランのたった1部よ。州内の、燃料1リットルにつき8セントの助成金も止めるつもりだから、国内マーケットも打撃を受けるでしょうね。ケアンズ空港は瀕死の状態だから、タウンズビル空港にもっと権限を与える予定よ。」
ターナー:「ちょっと待って。バルと僕は次の選挙の時どうしたらいいの?このパラダイスがゴーストタウンに変わっちゃったら、市民は僕らを嫌って投票してくれなくなるじゃないか」
ブライ:「薬でも飲みなさいよ。考えてもごらんなさい。どちらにしろ、投票者自体の数がたくさん減っちゃうんだから問題ないじゃない。先住民と、環境保護大好き人間だけにおべっか使っときゃいいのよ。どっちにしろ、そういう輩は労働党に投票するしね。」
ディクソン:「バーテンダー、もっとシャルドネを持って来てくれ。まだまだ祝したいことがあるんだ!クイーンズランド州東南部の今後の発展に乾杯!」
全員:「乾杯!」