人,コミュニティ,自然と
つながり、地球が
永らえる環境を
作っていきたい。
ダイアナ・ルッソさん
ヘンプ・ホライズンズ
Profile
Diana Russo だいあな・るっそ
6月8日アデレード生まれ。戌年。広告会社の営業で訪れたケアンズに惹かれて移り住む。子育てをしながら学んだヘンプの環境的な素晴らしさを多くの人と分かち合うべく、オーガニックヘンプのアパレル会社、エコソルーションズのオーストラリア販売代理店Hemp Horizonsを主催。キュランダオリジナルマーケットに4人の女性でユニットを組むアースコネクションという店を出店し、ヘンプ商品の普及に努める。
www.earthconnectionskuranda.com
内側から輝く生き生きとした美しさ。それは、周りへの愛と自分自身の満たされた心を持つ人が得られるものなのだと、気づかせてくれる女性。サステイナブル(持続可能な)地球と生き方を求めて、様々なアクティビティを展開するダイアナさんをキュランダに訪ねた。
「講義で聞いて頭にひっかかっていた1つのフレーズに導かれて」
最近再開したキュランダ・オリジナルマーケットの終わりに、小さなお店を出している4人の女性がいる。ミュージシャン、アーティスト、オーガニックヘンプ(麻)を使う服飾デザイナーの3人、そしてヘンプ製品の普及に努めるダイアナさんだ。
キュランダ・マーケット内でアースコネクションズというお店を共同経営する大切な仲間、ミュージシャンのレイチェルさん、服飾デザイナーのリアさんと。写真左端に写っているのは、リアさんが作ったオーガニック・ヘンプのドレス。
お店はそれぞれの個性が生かされた、緩やかな時間の流れるハッピーワールド。自分たちのクリエイティビティに共感してくれるお客さんと、楽しそうな会話がはずむ。
人、コミュニティ、そして自然とコネクトし、地球の保護活動を広めたいという想いで名付けられた"アースコネクションズ"というお店は、まだ開始して数ヶ月目だが、既に様々な"つながり"が広がって来ていることを感じると言う。
「私は、もともとは広告会社の営業をしていました。人と話すのが好きだったし、営業しながらオーストラリア中を巡れるのが魅力で。でもケアンズに来た時に、この土地が大好きになってしまって一大決心。退職して$20だけを持ってやってきたの!」
その後赤ちゃんを授かり、1983年によりナチュラルなライフスタイルを求めてキュランダへ移った。
「子どもが3人でき、専業主婦をエンジョイした」とは言うものの、キュランダハイスクールのPTAをしたり、キュランダ初の保育園の立ち上げに携わったり、シアターグループを結成したり、アンフィシアター(野外劇場)の活動に積極的に関わったり。主婦としてできるコミュニティ活動に精を出す。
そして、スミスフィールドにキャンパスができたのと下のお子さんが小学校へ上がったのを機に、「地球を守るにはどうしたらよいか学びたい」と、大学へ。
授業中に見た、billion dollar cropというDVDに流れた最後の言葉…"What is criminal is that we are not growing it"という1文が頭にひっかかった。
「ヘンプの大切さに気づき、できるところから関わってみました」
石油と森林に替わる可能性を秘めた農作物として、また、様々な生活習慣病を改善する新しい健康食品として世界中で注目されているヘンプ。ヨーロッパ諸国やカナダでは、第二次大戦後から約50年間栽培禁止になっていたが、90年代に入って多くの国が栽培を再開。
食べ物はもちろん、建材、布など(ベンツは車種によっては車体にヘンプ素材を使用!)何と25,000種類もの商品がヘンプから作られるというから驚きだ。しかも、ヘンプは農薬や化学肥料を多く必要しないため環境に優しく、短期間で育つ。
調べれば調べるほど、その環境的な素晴らしさに気づき、ヘンプに関する何かをしたい!と心が疼いた。
「でも子どももいたし、お金もない。ヘンプの畑を買うには資本がいるし…。当時オーストラリアにヘンプはなかったし、どうやって関われるんだろうと長い間模索しました」。マリーバ市長にヘンプの素晴らしさを伝えるDVDを送り、ヘンプファームを誘致する要請をしたこともあると言う。(現在もオーストラリアにおけるヘンプ栽培/取引の規制は非常に厳しい)
粘り強く自分なりに出来ることを考えるうち、国外のヘンプ会社〜エコルーションに出会い、オーストラリアのディストリビューター(販売代理店)になりたいと申し出たのが2002年のことだった。
同時期、ある機関のスポンサーシップを得て、キュランダの人々が作るオリジナルヘンプバッグをマーケットで販売するコミュニティ活動も。
「小さく記事で取り上げられて、6万個も注文が入ったこともあるのよ(笑)。みんなで手作業で作っているんだから無理って断ってしまったけど、人々が興味を持ってくれたことが嬉しかった」
その後、バッグだけでは飽き足らず、服やアクセサリー作りにも幅を広げ、地元のファッションパレードに参加したこともあるそう。「好評だったから、盛り上がっちゃってメルボルンカップのファッションパレードにも出たのよ」と笑う。
2年後、キュランダ・ヘンプバッグのプロジェクトは終わったが、ダイアナさんのヘンプ普及活動は現在のお店を通して続いていく。
「心に従って、自らが変化になればいい」
「これからは、個々の人間も企業もサステナビリティを意識しなくてはいけないと思う。
今は、"地球を尊重したい" という情熱を持った人々やコミュニティとつながる場を持てていることが幸せ」と言うダイアナさん。自らも極力電気を使わない昔ながらの生活を森の中で営んでいる。
取引先エコルーション社の、ルーマニアにあるヘンプアパレル製造所を訪ねた時の感想をこう語ってくれた。
「野菜を自給自足して、笑顔のあるシンプルな、でも特別な暮らし。西欧型のライフスタイルに疑問を持つ私は、彼らは何て素敵なんだろうと思った。
私がルーマニアの工場と取引するのは、彼らの環境哲学が素晴らしいことと、人件費も正統に払われて、上質でオーガニックなヘンプを作っているから。それに、ルーマニアはヘンプの栽培を中止しなかった数少ない国の一つだからヘンプの伝統も息づいているの」
彼女の言うサステナビリティは、環境も人も伝統も…地上にある全てが永らえる道なのだ。
「完璧な人間はいないけど、心に引っかかることがあったら、小さな変化を自ら興していけばいいと思う。私は自分が信じることに向かって、常に行動を興したいと思っているわ」
やわらかな光の中で微笑む彼女の周りで、今後もっともっと素敵なコラボレーションが起こっていきそうだ。
お孫さんまでいるとは思えない若々しさ!心がオープンなダイさんの、エネルギッシュで温かいオーラに包まれて会話は留まることを知らず…。年齢も国籍も超えて、全ての出会いを全身で喜んでいるような彼女を本当に美しいと思いました。08.08.08(8月8〜10日)に、キュランダマーケットの30周年を記念して、ダイさんがオーガナイズするフェスティバルがマーケット内で行われるので、ぜひ足を運んでみて下さい。ヘンプブースも出店するそうですよ★ Keiko
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