▲日本から自由にお買い物!
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■その50「マーケット好きなオージー」
2007年09月05日
▲マーケット開催日は大混雑 |
日用品は何でも大きなスーパーマーケットで手に入るが、町で定期的に開かれる昔ながらのマーケットをのぞいてみるのも一興である。
朝市には、たくさんの新鮮な野菜や果物が揃っている。多民族国家らしく様々な国の言葉が行き交い、いろいろな食材が売られていて、とても不思議な気分になる。
普段見たこともないような野菜や果物を発見した時、「どうやって食べるの?」と質問すれば、みな親切に食べ方や調理法を教えてくれる。こんな人との触れ合いもマーケットの楽しみのひとつだろう。
また日本でも盛んなフリーマーケットにも特徴がある。
日本のフリーマーケットは古着や中古の日常品が主だが、こちらでは自分の趣味で作った作品を売ることが多い。陶芸作品、ガラス細工、トールペイント、植 物、手芸作品、子供服、アートなど。日本と違って趣味を楽しむ時間が多いのか、驚くほど様々な手作り品が売られている。
私は工芸品よりも食べ物派なので、ついホームメイドのケーキ、ビスケット、ジャムなどの店を冷やかしてしまうが、仲良くなると作り方まで教えてくれるので、「企業秘密では?」と恐縮してしまう事もある。
オージーはしまり屋なので、それほど売れている様には見えないが、何より自分の作品を並べて見てもらえるチャンスがあるのはすばらしいことだ。私も何か特技があれば、お店を出してみたいのだが。
Sonya:(幼稚園教諭。趣味はベリーダンス)
■ コメント:"When we go to the markets, I like to go early and make a day of it. It is good to get local produce and crafts. Sometimes we eat lunch at the markets or nearby to a cafe. On the way home we like to go for a swim at the beach or a local water hole."
(マーケットに行く日には、なるべく早く出かけて、一日中そこで過ごすの。ローカルな農産物や工芸品を手に入れるのは楽しいし、時にはそこでランチを食べたり、近くのカフェで過ごすわ。家に帰る前にビーチや池で泳いだりもするのも好きよ)
Sarah:(ケアンズ唯一の女性裁判官。週末は家族でゆっくり過ごすのが好き)
■ コメント:"Weekend markets are very popular in Australia. There are many things for sale apart from the normal fruit and vegetables. There are stalls selling plants, cakes and sweets, leatherwork, woodwork and jewelry. This is how some people make some extra money on the weekend."
(週末に開かれるフリーマーケットは、オーストラリアではとても人気よ。果物や野菜だけじゃなくて、色々なものがあるの。植物やケーキ、お菓子、革製品、木製品、宝石まで置いてあるコーナーもあるわ。こうやって、週末にお小遣い稼ぎをする人もいるのよ)
■その52「川や湖で泳ぐ楽しさ」
2007年09月05日
▲湖畔で楽しむローカル達 |
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▲川遊びはみんな大好き |
私は都会育ち?(実は千葉県だからホントの都会じゃないけど)のせいか、これまで川や湖で泳いだ経験がなかった。
日本の川は流れが速いので、たとえ清流の近くで育ったとしても、子供の頃の水遊びは別として、あまり川で泳ぐことはないかと思う。
ケアンズはグレートバリアリーフで有名だが、ローカルの人々は、海で泳ぐのも好きだが、湖や川で泳ぐことも多いようだ。大人も子供も、家族連れや友達同士で、気軽に湖や川に立ち寄り、泳いでいる。
川の水は、ひんやりしていて気持ちがいい。泳ぐのに適した場所は、だいたい渓谷になっているので、周囲は深い木々に囲まれ、まさに森林浴だ。
子供達は、岩と岩の間を泳ぎながら、ちょっとした傾斜のある滝を見つけては滑り台の様に何度も何度も滝滑りを楽しむ。
湖では、水辺に、木から垂らされたロープを見かけることが多い。ロープを使って、あのターザンのように水に勢いよく飛び込むためだ。
水からあがると、川辺や湖のほとりで、寝そべっておしゃべりしたり、読書を楽しんだり、もちろんBBQも。運がよければ?トップレスの若い女性を拝ませてもらうこともある。
こうした、自然と触れあうチャンスが多いオージーたちがうらやましい。お金もかからず、自然の中でリフレッシュできるので、安上がりなレクリエーションだ。
オージーには、それぞれお気に入り場所があり、「どこか泳ぐのに良い場所はある?」と聞くと、「あまり他の人に教えないでね」と言いながら、とっておきの秘密の場所を教えてくれることもある。
身近なところに、自然とふれあい、ゆったりと過ごせる場所があるのは、ケアンズの良さだろう。特に家族連れには、絶対おすすめだ。
Kylie:(娘の親友。Year 10。 趣味はダンスとネットボール)
■コメント:"We always swim in the lakes and we go canoeing and sailing as well. We love jumping off the rocks. We also have picnics there in the summer with our friends and family. After we have eaten, we play in the water."
(いつも家族で湖に泳ぎに行ったり、カヌーやヨットを楽しんだりするわ。岩の上から飛び込むのは皆のお気に入りよ。夏になると友達や家族とピクニックに行くわ。食事をしてから、水で遊ぶの)
Jay:(バイクエンジニア。遠距離恋愛の彼女とは1日1時間半のラブコール)
■コメント:"There is a lake behind where I live that is great to go swimming in. The water is very cool and peaceful. People have even tied tyres to ropes to use as a swing to jump off into the water. My mates and I sometimes bring our fishing rods down and go fishing after we cool off in the water."
(今住んでいる家の裏に泳げる湖があるんだ。水はとっても冷たいけど、静かでイイよ。ロープにタイヤが結び付けてあって、そこから水に飛び込むんだ。友達 と釣竿を持っていって、水遊びをした後釣りをするんだよ)
■その53「お母さんがクラス担任」
2007年09月05日
▲小学校の授業風景 |
親が教師の場合、日本では特別な場合を除いてその学校に自分の子供が通うことはあまりないと思う。こちらでは、親子が同じ学校に先生、生徒としてとして通うことはよくあることのようだ。同じ学校どころか、自分の子供の担任になることもある。
私立の場合、自分の勤めている学校に子供を入れると学費が随分割引になることも、その理由となっている。
また、夫婦が教師として同じ学校に勤務するということもある。家庭的で良い面もあるのかもしれないが、親からは「あまり好ましくない」という意見が多 い。私が日本語教師のアシスタントを勤めた学校では、職員室で激しい夫婦喧嘩を披露していた。
日本で自分の子供が生徒である場合、親である教師は、その事実をなるべく悟られないようにするか、あるいは特に自分の子供には厳しく接するのではないだろうか。しかし、こちらではそんな気遣いを見せるどころか、特にひいきをしたり甘く接したりするようだ。
ある教師が授業のためにクラスに来て、突然ある生徒を名指しで怒り始めた。その理由は、その生徒がクラスメートである自分の子供の消しゴムをなくしてし まった、と言うこと。実はその教師の子供から仕掛けた喧嘩で、悪いのは彼の方だったのだが、その教師のあまりの剣幕に誰も何も言えなかったらしい。
また、体育で縄跳びの授業中に、ある生徒が「ボクは、縄跳びが嫌いなのでやりたくない」と担任に訴えた。もちろん、担任は無視して授業を続けたが、その生徒が「トイレに行く」と言って授業をぬけた。
しばらくすると、同じ学校の教師である母親からの「息子に縄跳びをやらせないで欲しい」という内容の手紙を持って帰ってきた。担任はさすがに怒って、 「あなたは、トイレに行くと言ってうそをついたので、罰として縄跳びをやること!」と指示し、その生徒はしぶしぶ縄跳びをやったという。
こういう事例は枚挙にいとまがない。日本では公私混同とか職権乱用とか言われて、非難されるだろう。
日本人にはとても真似できないし決して良いことではないと思うが、どうだろうか。
Sarah:(エーカーハウスの自宅には、現在マンゴーがあふれ、うれしい悲鳴)
■ コメント:"Queensland is very large and regionalized and most teachers graduate from teaching college or Uni in Brisbane. So for them to come and live further north there has to be an attraction, that’s why many schools offer both partners positions so they are more likely to take the job than if only one partner was offered a job. It tends to be more common in religious schools."
(クイーンズランドはとても広いので、地域によってバラツキがあるの。教師はだいたいブリスベンの大学を出ているのだけど、(ケアンズのような)こんな遠 いところに仕事に来るにはよほどの魅力がないといけないわけ。それで学校は夫婦二人ともに教師のポジションを用意するのよ。その傾向はキリスト教系の学校 に多いわね)
Cathy:(現在新居を建築中。夢は日本人学生のホームステイを受け入れること)
■ コメント:"If you teach at the same school your children are at you need to be very professional and say while I am at school I am not your mother/father, and you are not my child. I am a teacher and you treat me like any other teacher, and you are a student and I treat you like any other student. In Australia there is often not much choice – in a small community there may only be one school, and if you are teaching at that school, your children have no other school to go to. There are many such communities in Australia."
(自分の子供がいる学校で教えるなら、プロに徹するべきだわ。子供に は、学校にいる間、親でもなければ子でもない、私は先生であなたは生徒、と教えるべきよ。オーストラリアは、選択の余地がない場合があるの。小さな町で学 校がひとつしかない場合、あなたがそこで教えていたら、あなたの子供もそこに入るしかないわけ。オーストラリアはこういう場所が多いのよ)
■その54「どうしてケーキなのにプディングなの?」
2007年09月05日
▲お湯の中にドボン! |
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▲おいしいプディングの出来上がり |
初めてこれを友人宅で見たとき、オーストラリアにもお弁当箱があったのか、と思ってしまった。聞けばプディングを作る型だという。
彼女が出してくれた「プディング」は、私から見ると立派な「ケーキ」だ。プディングというと、「ぷっちんプリン」を思い出してしまう私としては、これをプディングと呼ぶにはどうしても抵抗がある。
元々はイギリスから来たデザートとのこと。作り方はケーキとほぼ同じだが、仕上げはオーブンで焼かずに、お湯に入れるのだという。これは教えてもらうしかないと思い、早速一緒にクッキング。
作ってみると簡単だ。生地をこの容器に入れ、ふたをしっかり閉める。あとは沸かしたお湯の入った大きなお鍋にどぼんと入れるだけ。
待つこと2時間。わくわくしてふたを開けると、あら不思議、ちゃんと出来ている。しかも、しっかりケーキ(プディング)の型になっていた。感動!あとはオージーの大好きなカスタードを添えていただく。
このプディングをはじめとして、オージーは何かとデザートにカスタードを添えて食べるが、私はどうも苦手だ。せっかくのお菓子がみんなカスタードの味になってしまう。オージーの友人からは、「カスタードが苦手なんて、まだまだね〜」とよく言われるのだけど。
みなさんも、たまには気分を変えて、オーブンを使わない特製お湯ケーキ(プディング)を作り、カスタードをたっぷりつけて召し上がってみてくださいネ。
Sarah:(中学生の息子の初めてのデートに、頭を悩ます母)
■ コメント:"My mother taught me how to make steamed pudding and Christmas cake when I was 14, which is my daughters age. Every year since then I have made the pudding and cake at Christmas time using our traditional family recipe."
(私が14歳の時、母がプディングとクリスマスケーキの作り方を教えてくれたの。ちょうど、今の娘の年齢ね。それ以来、毎年クリスマスになると母のレシピでプディングとケーキを作っているのよ)
Joy:(週末は、趣味でダンスを楽しむ活動的な女性)
■ コメント:"We usually have steamed pudding and custard at the end of winter time and it’s delicious. I use a very old recipe that my mother taught me. I think that everyone from my generation would have this type of container in their household. Younger people wouldn’t know how to use it, though."
(ウチでは、いつも冬が終わる頃に、プディングにカスタードを添えていただくわ。とても美味しいのよ。母から教わった昔のレシピで作るの。私の年代なら、どこの家にもこの「型」があると思うけど、若い人達は、これをどうやって使うのかわからないでしょうねえ)
■その55「頼まなければよかったラッピング」
2007年09月05日
▲ラッピングサービス。さて、その腕前は? |
日本のデパートで買い物をすると実に丁寧に包装してくれる。やりすぎ、と思うこともあるほどだ。
こちらでは、立派なデパートで買い物をしても、大きめのプラスチックバックにどんどん品物を詰め込むだけ。たとえラッピングを特別に頼んでも、店員が日 本のようにきれいに包装するという技術を持っていないので、高価な品物でもお粗末な包装となってしまう。
「せっかくおしゃれなボックスやリボンを使っているのに、もうちょっと綺麗に包めないの〜」と心の中で叫んでしまうこともしばしば。
あるデパートでプレゼント用の包装を頼んだところ、その店員はうまく出来ないので他の店員にバトンタッチ。
頼まれた店員は自信満々にやってくれたが、30分以上かかった上、セロテープは曲がっているし、角は盛り上がっている。折り方も雑でとてもお店の人がやってくれたとは思えない。こんなに待たされて素人以下とは。
クリスマスシーズンになるとショッピングセンターには、ラッピングサービスのコーナーが設置される。買った品物を持って行き、1〜2ドル払うと3種類く らいの包装紙の中から適当な紙を選んでラッピングしてくれる。
しかしその包み方は、やはり素人同然。日本と比べるとかなり安いので文句は言えないが、あまりにひどいので、結局自分で包み直してしまった。
日本でラッピングサービスを頼んだら、とてもきれいに包んでくれる。どんな形でもどんな大きさでも問題はない。
私の友人がデパートで年末年始の時だけのアルバイトをしたとき、ラッピングの仕方はしっかりと教え込まれた、と話していた。こちらでも是非そうしてもら いたいところだが、教えられるほどの技量を持った店員にはまだお目にかかったことがない。
Niel:(日本滞在5年の親日家。趣味は大工仕事とガーデニング)
■ コメント:"Japanese gifts and presents are always very well presented and I think that this is because they think appearance is very important. In western societies, gift-wrapping is not such an art as it is in Japan. If you want a gift beautifully wrapped in Australia you would have to do it yourself. Although the gifts are beautifully presented, I think that it is such a waste of paper and harms the environment."
(日本での贈り物 やプレゼントのラッピングは、とてもきれいだよね。見かけをとても重要視するっていうことかな。西洋社会では、贈り物のラッピングの技術は日本ほどじゃな いよね。もしオーストラリアできれいなラッピングを期待するなら、自分でやるしかないね。ボクが思うに、いくらきれいにラッピングしても、それは紙の無駄 遣いだし、環境にも良くないよね)
Cathy:(大阪弁を自由に操る日本人好きなオージー)
■ コメント:"There is a saying in Australia that it’s the ‘thought that counts’. So sometimes when someone just sends a card or an unwrapped present, we are happy that they took the time to think of us. The actual present or how it is wrapped isn’t important. Japanese people definitely put more time and effort into wrapping presents than Aussies. We still like to present things nicely but we are becoming more concerned about the environment nowadays."
(「気は心」というオーストラリアの格言があ るわ。たとえカード一枚でも、包装していないプレゼントでも、もらったときには、自分のために時間を割いてくれた、と思うと嬉しいわ。プレゼントの中身と かラッピングの仕方なんて重要じゃない。日本人はオージーよりラッピングを大事にするのは確かだわね。きれいなプレゼントの方が良いのはもちろんだけど、 どちらかというと環境への影響を考えるようになってきているわね)
■その56「アンバランスな日本人像」
2007年09月05日
▲寿司作りから始まる日豪交流 |
オーストラリアは、地理的にも経済的にも日本と密接な関係があるので、日本人に対する関心も深い。
しかし、彼らが描いている日本人像は、他の西洋諸国のそれと大して違わないようだ。私達から見ると「どうして?」と思うことが多い。
「日本人は毎日寿司を食べているのか?」
「芸者は今でも客と寝るのか?」
「日本は清潔か?サラダは食べられるのか?」
未だにこういった質問を受ける。日本車を乗り回し日本製の電気製品に囲まれていても、日本のことを発展途上国のように思っている人もいる。ホントはそう思いたいのかな、と感じるほどだ。
もっともこういう人達は、海外旅行の経験もなく、保守的で、オーストラリアが世界で1番と思っている人たちに多い。口の悪い日本人からは、「要するに オーストラリアは世界を知らない田舎者だ」という言葉を聞いた。
息子が以前通学した学校では、日本語の授業をオージーの日本語教師が担当していた。ある日授業でこの教師は、「日本人はみんな布団で寝て、食べるときは 床に座って食べる。クリスマスはないし、結婚式では必ず着物を着る」と説明した。
そして生徒に日本紹介のビデオを見せたのだが、このビデオには、おかっぱ頭の子供たちが質素な家の中で床に座ってご飯を食べる様子、田んぼや畑の田舎の 風景ばかりが映し出された。よく戦後の混乱期の映画ニュースに出てくるような風景だ。
そのビデオを見た息子の友達は「あんな貧しい所から来たの?」と息子に聞いた。伝統的な慣習を強調したい気持ちは分かるが、あまりにも偏った見方だ。息子もさすがにムッとしたらしい。
「これはいつのビデオですか?今は多くの日本人はベッドで寝て、テーブルでご飯を食べます。クリスマスもお祝いします」と質問した。
すると先生はコワイ顔で、「これは1989年のビデオで決して古くありません。あなたの家族は今オーストラリアに住んでいるから、普通の日本人家庭とは 違います」と答えたという。彼女は25年前1年間東京の郊外に住んだ経験を持ち、どちらかというと親日的だと思う。何よりも、日豪の架け橋になる日本語教 師だ。授業で得た知識が、そのまま子供達の日本観になる。
もちろん私たち日本人にも責任はあるだろう。友人のひとりは何人もの日本の学生をホームステイで受け入れているが、「学生達とはコミュニケーションがと れない。日本のことをもっと聞きたいが、一方通行で終わってしまうことが多い」と嘆いていた。
そういう意味では、外国人と触れるチャンスのある日本人がもっと積極的に日本のことを紹介する姿勢が大切なのかもしれない。我が家も、小さな親善大使として頑張らなければ!
Aimee:(目下大学の試験中で論文や面接で忙しい日々)
■ コメント:"I don’t think that you can blame Aussies for having no idea about Japan. Unless we have been to Japan, we only know what we see on TV. It’s funny because Americans have the same unbalanced view of Australia. I’ve heard them ask questions like ‘Does everyone have a pet kangaroo?’ and a lot of them think that we all live an outback lifestyle."
(オージーが日本のことを良く知らないからって、そんなに怒らないで。日本に行ったことがなければ、テレビの情報から知る しかないじゃない。オーストラリアのことだって、アメリカ人が同じように誤解しているわ。「皆カンガルーをペットにしているんだろう?」とか質問するらし いし、皆ブッシュでの生活をしていると思っているみたいよ)
Niel:(次のホリデーはニュージーランドで過ごす予定)
■ コメント:"Australians who have never had a conversation with a Japanese person or who have never visited Japan have a very distorted view of Japan. I think they get this from watching really old black and white Japanese films. So they aren’t aware of the modern Japan. Of course everyone knows that Japan has the latest technology but some still think that everything is old fashioned and traditional. They think that ninjas are still walking around everywhere and people only wear traditional dress."
(日本人と話をしたことがなかったり日本に行ったことがないオーストラリア人は、日本のことをひどく誤解 しているよね。ずっと昔の白黒の映画見て、それが日本だと思うんだよ。現代の日本を知らないわけだよね。誰でも日本はテクノロジーの発達した国だと知って いるけど、中には未だに旧式の慣習だけの国だと思っている人もいる。そういう人達は、忍者が歩きまわって人々は和服しか着ない、と考えているんだ)
■その57「ありがとうは、魔法の言葉!」
2007年09月05日
▲"Thank you for helping me." |
日本人で "Thank you" という英語を知らない人はまずいないだろう。もちろん「ありがとう」の意味だが、その使い方は日本人が思っている以上に多彩で、実際に色々な場面で登場する。
店で買い物をしてレジで精算が終わると、お客さんの方が "Thank you" と言ってその場を離れる。日本では店員が「ありがとうございました」と言う場面だ。
家庭でも親が食事のお皿や飲み物を置くとき、子供は必ず "Thank you" 。逆に、子供がお手伝いをしたときに、親が子供に "Thank you for helping"。
ある家族を自宅に招待した翌日、偶然に町で出会ったとき、その家の2歳半の子供が私の顔を見るなり "Thank you for lunch, yesterday" と挨拶したのには驚いた。
家庭では、しつこいほど「"Thank you" と言いなさい」と教育している。
店員とお客さん、親と子供、という関係の中で当然受けるべきサービスであっても、お互いを尊重(respect)し合う意味で、"Thank you"と言うのは、とても気持ちが良いものだ。
日本人のホームステイをよく受け入れている友人が、
「日本人留学生は"Thank you"と言う言葉が少な過ぎる」と言っていた。
実は日本語の「どうも」くらいの感覚なのかもしれない。「どうも」のつもりで気軽に "Thank you" を使ってみよう。
ここで日常よく使われる "Thank you" を紹介してみる。
Thank you for the meal.
Thank you for inviting me.
Thank you for calling.
Thank you for helping me.
Thank you for your advice.
以下は、少し特殊な言い方
Thank you for taking me.(どこかに連れていってもらったとき)
Thank you for your time.(自分のために時間をとってくれたとき)
Thank you for coming.(友達が遊びに来て、その友達が帰るとき迎えた側が使う)
Thank you for having me.(逆に、遊びに行ったお客としてのお礼)
Thanks, anyway.(とにかく、とりあえず「ありがとう」)
Aimee:(大学2年生 スリムな体型を維持するため、週2回はジム通い)
■コメント:"If a child forgets their manners, it’s common for a parent or teacher to remind them by saying ‘what’s the magic word?’. This is a reminder for them to say ‘please’ or ‘thank you’."
(子供が礼儀作法を忘れたとき、親や先生が「魔法の言葉は?」と質問するの。そうすると子供達は "please"や"thank you" を思い出すのよ)
Sarah:(裁判官。このホリディは家族とベトナムへ旅行)
■コメント:"Children in Australia are brought up to say ‘thank you’ if someone does something for them or gives them something. Parents also expect their children to thank them for a meal or taking them somewhere."
(オーストラリアの子供達は、何かをしてもらったり何か物をもらったときには必ず "thank you" と言うように育てられているわ。ごちそうしてもらったり、どこかに連れていってもらったときにも、ちゃんとお礼を言いなさい、とも教えているわ)
■その58「老人だってターミネーターファン」
2007年09月05日
▲「赤ちゃん連れで映画を!」のポスター |
英 語圏であるオーストラリアでは、ハリウッド映画などがいち早く公開される。またロードショーであっても、入場料が大人13ドル(1000円位)、子供9ド ル(800円)、お年寄り6ドル(500円)と安いことから、映画は子供から老人まで楽しめる娯楽のひとつとなっている。
映画館ではユニークなサービスも提供している。
お酒や食事を注文して、テーブルにつきながら映画を楽しめる特別な席を用意した映画館もある。
日本でいうカップルシートの高級版。ちょっとした記念日に贅沢気分を味わえるので、やはりカップルに人気とか。
月に何度か"Babies in Arms"という時間を設けるサービス。このサービスは、赤ちゃん連れで映画館に来てください、というもの。
照明も通常の半分くらいの明るさにしているので、赤ちゃんにミルクやおやつをあげることもできる。子供が泣いたり立ち歩いても、お互いさまなので気にしなくても良い。若いママ達には大好評だ。
老人の入場料がディスカウントされているので、近所に住む年配の夫婦は週一回必ず映画館に出かけている。
75歳を過ぎたおじいさんおばあさんと「ロード・オブ・ザ・リング(指輪物語)」や「ハリー・ポッター」「ターミネーター」などの話ができるのは、とても楽しい。ちょっとした驚きだった。
日本にはない厳しい映画の視聴制限があるのも特徴だ。映画館に貼ってあるポスターには、タイトルの横に、
"G"(年齢制限なし。子供向き)
"PG"(15歳以下の子供でも親と一緒に楽しめる家族向き)
"M"(15歳以下で親が同席しなくても可)
"MA"(15歳以下は大人の同伴が必要)
"R"(成人向け)
などの記号が大きく記されていて、子供を持つ親には良い指針となる。市販されているビデオやDVDにも必ずこの表示があり、その他、大人向きなテーマで ある、とか、使われている言葉のレベル、セックスシーン、暴力シーンなどの有無、などが細かく説明されていることもある。
見たことのない映画でも子供に見せてよいかなど、ある程度判断ができるので、なかなか良いシステムだと思う。ちなみにアカデミー賞にノミネートされた「ラスト・サムライ」は暴力シーンが多いとされ、"MA"だった。
この視聴制限を厳格に守っている家庭もあり、そういった家庭の子供が遊びに来たときには「今日は二ールがいるからPGしか見られないよ!つまらない な〜」などと子供の間で話題になる。親としては「そういう家庭の方がちゃんとしている」と思ったりするのだが…。
昨年息子の誕生日会のことで、ちょっとした事件があった。息子が誕生日プレゼントとして買ったDVDが"MA"だった。学校でその映画の話をしていた ら、息子の誕生日会でそれを見せるという噂になり、招待した7人中2人の親から「それは困る」と電話がかかってきた。
もちろん見せるつもりはなかったのだが、あまり映画の視聴制限を気にしていなかった私にはよい勉強になった。
オージーの友人からも「友達の家でのお泊まり会(Sleep over)や誕生日会には注意した方がいいわよ。家によっては平気で大人向けのビデオを見せるから」とアドバイスを受けたことがある。
確かに、誕生日会で見る映画のタイトルまで書いてある招待状も何度か受け取った。学校でも授業の一環で映画を見せるときには、親に許可を求めたお知らせを出すことが多い。
日本は教育熱心だが、子供が見るテレビや映画の内容に関して無関心すぎるのではないだろうか。オーストラリアはとても自由な国でありながら、家庭や社会が子供の成長をきちんと見守っているように思うのである。
Matthew:(現在日本からケアンズへ一時帰国中。1週間で日本が恋しいとか?)
■コメント:"When I was younger, I had a friend come to stay over one night. We stayed up and watched an R rated horror movie. That night he couldn’t sleep and was really scared, so he called his parents to come and get him and take him home. When his parents came and found out that we had watched an R rated movie, they had a fight with my parents about it. My parents used to let me watch whatever I wanted to, they don’t care. Needless to say he was never allowed to come over to my house again."
(ボクが子供のころ、友達が泊まりにきた夜に、R指定のホラー映画を見たんだ。その晩友達はひどく怖がって、眠れなくなっちゃたんだ。それで両親に迎えに 来てもらうように、彼が電話したんだけど、両親はボクの家で、R指定の映画を見たことを知って、うちの親ともめたんだ。うちの家は僕が見たいものは何でも 見せてくれたし、そういうことにうるさくなかったからね。それからは、彼は僕の家に出入り禁止になっちゃったんだよ)
Caitlin:(携帯好きの高校1年生 学校とクラブ活動に忙しい毎日)
■コメント:"I think movie ratings are good- it means little kiddies can’t get into movies with over the top violence and naked people! Can you imagine if some kid that is 5 years old was watching an R rated movie- they would be scarred for life! My parents aren’t too strict,,, they let me watch movies within reason. I think some parents are too strict maybe, but generally I guess most people are pretty easy going!"
(映画の視聴制限というのは、良いことだと思うわ。小さい子供が暴力シーンの多い映画やハダカがたくさん出てくる映画を見られない、っていうことでしょ。 5歳の子供がR指定の映画を見たらどうなると思う?生きていくことが怖くなっちゃうでしょ。私の両親はそれほど厳しくないけど・・・ちゃんとした映画なら 見せてくれるわ。厳しすぎる親もいるとおもうけど、だいたいの人はいい加減じゃないかな)
Jose:(ブリスベン郊外に新居を建設中で、家のプランに頭を悩ます日々)
■コメント:"Movie ratings are very important, it gives an instant indication about the movie. Example: `PG`means `Parent Guidance` so you can imagine what might be in the movie. Also, there are a lot of movies with violence in it these days. If you see the `V` for violence you know what’s in it. I personally think violence has worse influence than sexual references on our young generation."
(視聴制限はとても大事だと思うわ。その映画の傾向を教えてくれるもの。"PG"というのは"両親の指導のもと"という意味だから、どんな内容かだいたい わかるでしょ。最近は暴力シーンのある映画が増えてきたわね。"V"という表示は"暴力"の意味だから、そういうシーンがある、ということ。私としては、 若い世代に対して、性的シーンより暴力シーンの方が悪い影響を与えると思うわ)
■その59「深い話は苦手なオージー」
2007年09月05日
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■コメント:"Aussie parties and get-togethers are a very casual affair. People usually avoid deep conversation such as politics and business, preferring to talk about sport or their hobbies. If I go to a party or get together with friends none talks about their problems or troubles they have. If I had a problem I would talk to my mum, not my friends because we like to talk about funny or relaxing things when I am with them."
(オージーのパーティーや集まりはとてもカジュアルなものなの。政治やビジネスなどの深い話はなるべく避けようと思っているし、スポーツや趣味のことを話 題にしたいと思っているわ。私が行くパーティーや会合でも、誰も自分の直面している問題やトラブルの話をしようとはしないわ。そういう問題があれば、友達 に話したりせずに母に相談すると思うわ。友達と過ごすときは、冗談やリラックスできる話で盛り上がりたいもの)
Doug:(永眠して3ヶ月、妻エドナは一人でしっかり、家と愛犬を守っている)
■コメント:"There is an old saying that you don’t talk politics or religion at a dinner party. If you start talking about these kinds of things at a party then there’s going to be trouble."
(「宗教や政治の話を夕食の席でしてはいけない」という格言があるよ。そんな話をパーティーで始めると、きっとトラブルになるんだから)
Cheryl:(親孝行な彼女はお母さんを連れ、シドニーに旅行中)
■コメント:"I sometimes talk about deep subjects like politics and religion but only with a friend that I have known for a long time. Australian’s don’t like to talk about deep subjects like this with people you don’t know very well, and especially not at social events like parties."
(政治や宗教などの難しい内容の話をすることもあるけど、それはずっと前から知り合いの友達とだけするわよね。あまりよく知らない人とそんな話をすること は、オーストラリア人ならイヤがるわ。特にパーティーなどの席ではね)
■その60「泥棒保険は常識」
2007年09月05日
統計によると、オーストラリアの犯罪率は日本の8倍だという。特に商店や家を狙った窃盗犯罪はとても多い。日本人の観光客や日本人居住者をターゲットにしたケースもよく耳にする。
最近こそ日本でもピッキングなどの犯罪が増えているが、根本的に日本人は犯罪に対して無知で無防備なところがあるのではないかと思う。
こんなことを書くのも、私自身実際に泥棒の被害にあった苦い経験を持つからだ。
うちの場合、明らかにティーンエイジャーの犯行だった。ノートブックパソコン、カメラ、ビデオ、デジカメ、ゲームボーイ、ゲームソフトなどを子供の学校 用リュックに詰めるだけ詰めて逃げている。高価なものでもリュックに入らないものは取られていない。
▲どろぼうよけ?ドアも窓も2重に! |
ここは、住宅街なので、不審者が入ってくるとすぐにわかるが、ティーンエイジャーが学校用リュッ クを背負って歩いていても、誰も泥棒だとは思わないだろう。この事件はとてもショックな出来事だったが、事件後多くの友人から「コンテントインシュランス (content insurance)には、入っているんでしょう?」と聞かれ、その内容を初めて知ってまたまたショックを受けた。
この保険は家で泥棒などの被害にあった時のために、自分の所有物に対して掛ける保険だ。日本では余り聞いたことがないが、泥棒の被害に会う確立が高い オーストラリアではほとんどの人が加入しているという。日本の火災保険に泥棒用特約が付いたようなもの。この保険に入っていれば、全部とまではいかなくて も、被害金額の多くが戻ってくるので、泥棒に入られたショックは和らぐ。
そんな保険があったとは!我が家の場合は後の祭り。知らないままでいた方がショックが少なかったかもしれない。
友人のひとりは「うちも泥棒が入ってくれないかしら!そうしたら使い古しのものも新品に変身するのに」なんて、慰めにもならない言葉を冗談交じりに言っていた。
学校でも、ロッカーが壊され中の荷物を取られたり、ちょっとの隙にカバンから携帯電話やお財布が盗まれたりする。日本では考えられないことだ。うちの子供達も被害に会い、今ではとても用心深くなった。
そういう意味では日本はまだまだ安全だし、日本人の方がまだモラルがあると言えるかもしれない。
Cheryl:(こ3人目の孫が生まれ仕事とその世話に忙しい日々)
■コメント:"It’s very sad but some kids who come from a bad background or who don’t do well in school end up bitter at the world. So they have the mentality of ‘everyone owes me’. So they commit crimes because they think they have the right to."
(育ちの問題があったり、学校でうまくいっていない子供達が、結局世の中の辛酸を嘗めることになるのは、とても悲しいことだわ。そういう子供達は「こう なったのは世の中のせいだ」と思っているから、当然の権利だと思って罪を犯すのよね)
Niel:(このホリディはマイレージをため、奥さんとタスマニア旅行を楽しむ)
■コメント:"I think that the reason why Australia and other western countries have a high crime rate is because we have lost a lot of our old values, such as ‘respect peoples property’ and ‘do not steal’. Japan still has a lot of its traditional values so that’s why crime isn’t as much of a problem."
(僕が思うに、オーストラリアや他の西洋の国々での犯罪率が高くなったのは、昔ながらの価値観を大事にしなくなったからではないかな。たとえば「他人の物 は大事にしなさい」とか「泥棒はいけないこと」とかね。日本ではまだ古い伝統的な価値観が生きているので、犯罪がそれほど問題になっていないのだと思う よ)
Aimee:(大学生活とアルバイトに忙しい毎日)
■コメント:"Australia is a very different place in my generation. My Mum tells me about how it used to be, how there was little crime and you could trust everyone. It’s sad but that’s very different to nowadays. Kids are taught from a young age to be careful with their valuables and not to trust anyone."
(オーストラリアは、ここ最近ですっかり変わってしまったわ。昔は犯罪も少なかったし、皆がお互いを信頼していたと母が話してくれた。悲しいことだけど、 最近は随分違ってしまった。子供達は小さいときから、貴重品を盗まれないように注意すること、そして誰も信用してはいけない、と教えらているのよ)
■その61「オーストラリアにおける青少年の非行」
2007年09月05日
日本と同様、オーストラリアでも青少年による犯罪が大きな社会問題になっている。中学高校で、生徒が喫煙、ドラッグなどで停学や退学になるケースも多い。小学校でも同様なケースがあるという。
新聞の一面トップに、ホームレスの子供達が増え、市やボランティア団体が定期的に食べ物を支給している、という記事が掲載されていた。高い離婚率、失業 率は家庭の崩壊を招き、子供達への虐待も多くなる。居場所かない子供はストリートチルドレンとなって、犯罪へとつながる。
▲健全な青少年たち |
こういった問題に対し、政府は問題のある家庭へ多額の補助をすることで解決しようとしている。しかしこれも最善の方法というわけではなさそうだ。
政府の補助の仕方を批判して、「この国は、子供が3人いたら働かなくても補助金だけで食べていけるんだ。そう考えると働くのがバカらしくなるよ」などといったオージーの発言をよく耳にする。
銀行に勤務する友人は、生活保護のお金を取りに来る人たちの多くが、すでに昼間からアルコールにおぼれドラッグをやっていることに、やりきれなさを感じていると話してくれた。
「政府がむやみに、お金を支給するのは問題だ。そのお金でお酒、ドラッグを買って結局自分の子供の世話など何もしやしない!」
ティーンエイジャーによる強盗や窃盗事件も後を絶たない。家や店に押し入り、現金、パソコン、CDプレーヤー、貴金属などを盗む。ほとんどのケースが未成年による犯行で、捕まってもたいした罪にはならないので、再犯を繰り返す。
学校内での盗難も日本と比べると驚くほど多い。鞄を鍵付きのロッカーに入れておいても、鍵を壊され盗まれるといったケースもある。殺人、誘拐などの凶悪事件こそ少ないものの、日本ではあまり考えられないことだ。
つい先日、金曜日の夜8時というゴールデンアワーに、日本の学級崩壊や引きこもりの問題をとりあげたドキュメンタリー番組が放送された。2週連続の特集 番組で、単なる日本の翻訳番組ではなく、かなり深く掘り下げて問題点を指摘していた。
多くの友人から「日本ではよくあることなのか?」と質問を受けた。アウトドア思考のオーストラリア人には、特に「引きこもり」は理解に苦しむらしい。
日本とオーストラリア、その表れ方は異なるものの、両国とも昔以上に多くの子供達が病んでいるのは確かのようだ。
Janie:(台湾出身。13歳の時家族で移住 現在は専門学校で中国語を教える)
■コメント:"I think that there are many factors that contribute to the problems of our youth. Our society has become so greedy and we want so much, so the parents have to work very hard to provide for their families. I think that this affects kids because they are left on their own a lot and might rebel or do bad things to get attention. Also peers are a major influence as well. If a child falls in with the wrong crowd they can copy bad behaviour."
(子供達がこうなってきたのは、単純な理由ではないと思うわ。世の中はますます物欲主義になってきて、家族を満足させるためには、親はもっと働かなくては いけない。そうなると、子供達はほっておかれてしまう。親の注意を引こうとして、反抗するようになるし、悪いことにも手を出すわけ。友達の問題もあるわ ね。悪い仲間と付き合うようになると、すぐに悪いことにも手を染めるようになるわ)
Scott:(独身主義の30代。転職したばかりでしばらくパブ通いは、お預け?)
■コメント:"Kids see so much junk from movies and TV and I think this has caused a lot of suicides and violence. If a parent even smacks their child the kid can turn around and sue them for assault. I used to get belted when I was a kid. It was just a part of growing up."
(最近の子供達は映画やTVでひどい場面をいっぱい見てるよね。だから、自殺や暴力が増えるんだよ。子供を殴ると、自分の子にだって、訴えられちゃうんだ から。ボクが子供の時は殴られて育ったもんだ。それが「成長する」ってことだろ)
■その69「日本人は写真好き。オージーはフレーム好き。」
2007年09月05日
外国の風刺マンガに登場する日本人は、首から必ずカメラをぶら下げている。こちらでも日本人観光客がパチパチと写真を撮る姿をよく目撃するし、流行のカメラ付きケータイも日本の発明だ。日本人は写真(撮影?)好きと言えるだろう。 しかし、撮った写真の有効利用がなされているか、というとそうでもない気がする。折角たくさん撮った写真も、アルバムの中に収まるだけで、日の目を見るのはその後数えるほどしかないのではないだろうか。 日本人に比べると、欧米の人は写真を撮るという行為にはそれほど執着していないようだ。観光客でもあまりカメラは持っていないし、パーティーや学校行事に行っても写真を撮っている人はほとんどいない。 有名な観光地でも、その風景を堪能して楽しんでいる人はいても、それをバックに写真に撮っている姿は見かけない。 しかしである。 またショッピングセンターには、家族写真や子供の写真を撮るための写真スタジオがある。赤ちゃんから年配の人まで、気軽にドレスアップしてプロのカメラ マンに撮ってもらう。そして、そういった写真は、気に入ったフレームに入れて、他の家族写真、子供の写真、両親の写真、祖父母の写真、結婚式の写真などと 一緒に、壁や、本棚、ピアノの上などに所狭しと並べられる。 オージーの家庭を初めて訪問した時、並べられた写真のいわれを聞かされることは多い。たとえ70歳を超えた夫婦でも、二人が出会った頃の写真、結婚式の写真、子供達、孫達の写真などを、嬉しそうに説明しながら見せるのである。 日本人にとっての記念写真は、自分達だけで満足し大事にしまって置くもので、人に見せるためのものではない。オージーは自分が気に入った記念写真だから こそ、みんなの目に触れる所に置いて、家族だけでなく他の人にも見てもらいたいという気持ちが強いようだ。 ある友人の家にお邪魔した時のこと、大学生の娘さんが壁に飾っている友人の写真を指して誇らしげに言った。 「見て、これお母さんの大学生の頃の写真。すごくきれいだと思わない?」 私は思わず絶句してしまった。今の彼女はお相撲さんのように太っているのだが、写真の中の彼女は細くて今とは別人のようだ。私だったら、「使用前、使用後」のようなギャップが恥ずかしくて、昔の写真などとても飾れない。 しかし反面、嬉々として写真の説明をする姿から、自分や自分の家族、両親をとても大切に誇りに思っているという気持ちが感じられた。私もつい最近、タン スの中に眠っていたウン十年前の結婚式の写真を玄関のすぐ脇の棚に飾ってみた。私には勇気が必要だったが、子供達には大好評だった。 |
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■その62「弱いチームの強い味方」
2007年09月05日
昨年末、ラグビーのワールドカップがオーストラリアで開かれた。テレビの視聴率ではオリンピックをしのぐほど。オージーはラグビー好きである。
日本チームの予選ラウンドは隣町タウンズヴィルで行われ、応援に駆けつけた方も多いのではないだろうか。新聞に載る日本チームへの評判は極めて好意的 で、結局1勝もできなかったにもかかわらず、1試合毎に力をつけていく日本チームの人気はうなぎ登りだった。
▲イジメ中?いや、応援中 |
普段口の悪い息子の友人達も、「日本人選手は、足が速く動きがいいね」とみんな誉めてくれたという。私も多くのオージーの友達から「日本が出る試合では、いつも応援しているよ」と、嬉しい発言を何度も聞いた。
テレビには日本の国旗を顔にペイントしたオージーたちが、日本チームを応援している姿がよく映し出された。こんなにみんなが応援してくれるのは、弱いな りに日本チームに魅力があるからだ、とすっかりいい気持ちになっていたら、「オーストラリアは常に劣勢チームを応援するのよ。日本が力を付けて常勝するよ うになったら、さっさと相手チームを応援するようになると思うわ」とあっさり言われてしまった。
これは「巨人、大鵬、卵焼き」(若い人は知らないかも)と言われる日本人気質とは逆の傾向だ。私は典型的日本人なので、安心して見ていられる強いチーム が大好きだ。日本人にも、いつも負けてばかりいる弱いチームや選手を応援する人もいるが、少数派だろう。
オージーの友人は、この傾向がオーストラリアの歴史から受け継がれてきたものだ、と説明してくれた。この国は、流刑地として送られてきた罪人たちが築き 上げてきた国だ。オージーは自分達のことを「もともとは underdog (負け犬、生存競争の敗北者) だった」と言う。そして苦労を重ねここまできた。だからこそ、力の弱い人やチームが苦労しながらも諦めないで頑張っている姿を見るのが好きなのだ、と。
Aimee:(ベビーシッターに家庭教師、店番とアルバイトに大忙しの大学2年生)
■ コメント:"Aussie love to support the ‘underdog.’ I often ask friends which team they are going for, and if don’t have a favorite , they say ‘I’ll support the underdog!’ We love to see people experience success."
(オージーは"underdog"を応援するのが好きなの。友達に「どっちのチームがお気に入りなの?」と聞いてもしお気に入りがなかった場合、「もちろん弱い方よ」と答えるわ。だんだんうまくなっていくチームを応援するのは楽しいもの)
VVikki:(今年はいたずら盛りな Year 6 の担任。ストレス解消はスイミング!)
■コメント:"Australians always like to support the underdog. I think it goes back to when the convicts were first sent here. They were people who had been treated poorly and were doing it tough. They banded together and supported each other to get through the hard times. That’s why nowadays, if someone is down on their luck or doing it tough, we like to get behind them and support them."
(オーストラリア人はいつも、弱い方を応援するのが好きよ。その理由は、囚人が最初に送られてきたときにさかのぼって考えてみるといいかもしれない。囚人 達ははひどい扱いを受けながらも、それに負けずに生きてきたわけでしょ。彼らは団結して、苦しい時期を乗り越えるために助け合ったわ。だからこそ今でも、 運に見放されてたり、それでも頑張っている人を見ると、応援したりサポートしたりのが好きなのよ)
Cathy:(ケアンズは目下建築ラッシュ!ビルダー探しに頭を抱えている日々)
■コメント:"Australians love to see people come from the bottom and be successful. That’s why we like to barrack for the least successful team in sport. But mainly we like to see them win instead of seeing the successful team win again!"
(オーストラリア人は底辺からはい上がっていく人を応援するのが好きなのよ。だからスポーツでも一番弱いチームに声援を送るわけ。強いチームが何度も勝つ ところをみるより、弱いチームが勝ったところを見たいしね)
■その63「誕生日プレゼントが馬1頭」
2007年09月05日
こちらに来てまだ間もない頃、オーストラリアらしい経験をした。子供の友達の家を捜して迷ってしまった時のことだ。
日本のように電柱に住居表示があるわけではなく、道を聞こうにも人の姿が見えない。そのあたり一帯はエーカーハウスが多く、道路から家々の玄関まではか なりの距離があり、道を聞くためだけに知らない人の庭に車を乗り入れるわけにもいかない。
▲たまにはフンも落ちてます |
途方にくれていると、ちょうど馬に乗った女性が通りかかった。私は急いで車から降りて、その女性に道を尋ねた。馬上にいる彼女は、まるで2階のベランダに いる人のようで、地図を見せながら道を尋ねるのは一苦労だったが、丁寧に教えてもらって無事家を見つけることが出来た。
しかし何より、こんなふうに普通の道で馬に乗っている人に道を聞くなんて、初めての経験でそれ自体驚きだった。
少し郊外に行くと、馬の絵が描かれた交通標識があり、馬に乗った人が普通に道を散歩している。とてものんびりした雰囲気だ。エーカーハウスの広いバックヤードで、
お母さんが子供に乗馬を教えているというのもよく見る風景だ。犬や猫ではなく馬を自分の庭で飼っているなんて日本ではちょっと考えられない贅沢な話だ が、もちろんオーストラリア人にとっても自邸で乗馬を楽しむのは夢のひとつだ。
先日も娘が「(友人の)キャーロンの今年のお誕生日プレゼントは馬だって!」と驚いていた。馬一頭は、500ドルというそんなに高くない値段で買えるらしい。新聞にもよく宣伝が載っている。
彼女の家は庭で馬を飼うわけではなく、専門のクラブに預けて、週末に乗りに行くという。費用は少しかかってしまうが、自分で世話をしなくていいので都会の人たちはこのような楽しみ方も多いようだ。
J
Jose:(ホテルの夜勤勤務もこなす働き者の主婦)
■ コメント:"Horses can be bought for as little as a few hundred dollars but the expensive part comes after. They cost a lot to feed and keep healthy. But people who are not rich can still have a horse because if they love their pet, they will do anything to keep it."
(馬は数百ドルで買えるけど、それからの出費が大変よ。餌代もかかるし、健康を維持するためにも費用はかかるわ。でもたとえお金持ちでなくても、馬を飼っている人はいるわ。だってペットが大好きだったら、それを飼う為には何でもするでしょ)
Aimee:(おばあちゃんの1番のお気に入りの孫娘)
■ コメント:"Heaps of my friends have horses. Even if they don’t have the room they can keep them at pony clubs or other peoples properties. I would say that most Aussie kids have had the chance to ride a horse at some time. My sister and I used to take lessons for $15 an hour every week."
(何人もの友達が馬を飼っているわ。自分の家に馬を飼うだけのスペースがなくても、ポニークラブや誰かに預かってもらうわけ。オージーだったら子供時代に何かしら馬に乗るチャンスはあるわ。私も妹と毎週一回15ドルで乗馬のレッスンを受けていたわ)
■その64「オージーに根性、忍耐は通じない?」
2007年09月05日
最近は日本のテレビドラマでも根性ものは流行らないようだ。しかし、オージー達は”根性”という言葉(一応、’ball’とか’guts’とかあるんだけど)さえ知らないのでは?と思うほど”根性””忍耐”とは縁遠い。
▲ガンバる子はガンバってます |
学校のマラソン大会では、スタートと同時に歩き出す生徒がとても多い。日本だったら、どんなに走るのが苦手でも最初はがんばるだろう。また、もし初めから歩いている生徒がいたら、先生が激を飛ばすはず。
しかしこちらの先生は何も言わない。水泳大会では、「具合が悪い」と毎年欠席する子が何人もいる。いつもは皆勤賞なのに、毎年水泳大会の日だけ病気になるのだから、明らかに仮病である。
欠席するためには、親が病欠届を書かなくてはならないので、親公認のサボリである。驚いたことに、その日の夜のイベントには元気に出席するし、親もちゃんと車で送ってくるのである。
そんなことを話していると、日本人の友人が「そうなのよ」とオージー事情を聞かせてくれた。彼女のご主人はオージーなのだが、子供の教育方針を巡って夫 婦喧嘩になることがあるという。子供が「学校に行きたくない」と訴えると、オージーのご主人は「いいよ、いいよ。無理させなくてもいいよ」と簡単に休ませ てしまう。「嫌でも、ちょっと頑張ってみたら」と言う彼女とは意見が衝突するそうだ。
また、ケガをした時に、必要以上に痛がったり泣いたりする子も多い。以前紹介したように、オージー男性は基本的に「涙を見せない」が、女の子は日本人に は考えられないほどオーバーに騒ぐ。大人も同様。出産時の叫び声は想像を超えている。
人口が少なく生存競争もあまりない世界だと、必要以上に我慢したり頑張ったりする必要がないのかもしれない。
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■その65「オーストラリア文化があぶない!」
2007年09月05日
オーストラリア政府は、日本と同様アメリカ追従が顕著だが、国民は?というと実はそうでもない。多くの人はアメリカの影響が多大になることを懸念している。これは日本と違う所だ。
子供達が「trick or treat !」とはやしながら家々を回るハロウィーンは、最近よく見られるようになったが、オージー達の反応は余り好意的ではない。人によっては、折角子供達が訪ね てきても、「Go away. That’s an American tradition.(あっちへ、行って。それは、アメリカの風習よ)」と言って追い返すこともあるくらいだ。
▲ハロウィーンはアメリカ文化 |
言葉の問題でも、子供がアメリカン・アクセントの発音をすると、こだわるオージーはすぐに直す。逆に子供が「お父さんの"castle"の発音はおかしい よ」と指摘する場合もある。「z」の発音もしかり。アメリカ英語だと”ヅィー”と発音するかオージー(イギリス)英語だと”ゼット”と発音する。
若い世代は「アメリカン・アクセントの方が格好いい」と感じる子が多く、親は渋い顔。昔ながらのオーストラリア版子供番組「Play school」を見せるか、アメリカ産の「セサミストリート」を見せるかでも、若い世代と年輩の世代では意見が分かれる。
また、同じ若い世代でも意見が異なることもあるようだ。我が家の家庭教師は大学2年生だが、中学生の妹とよくもめるという。
「妹はアメリカ英語を使いたがるので、このままでは、オーストラリア英語がどんどん消えていってしまう」と英語学を専攻している彼女は真顔で心配していた。
日本でもカタカナ言葉が増え、その使い方に関して新聞紙面を賑わすこともあるが、言語が同じだとその影響は想像以上に大きいのだろう。
つい最近も、オージー特有のあいさつ「G’day Mate !(グッダイ・マイト)」が若者の間で使われなくなってきた、という記事が新聞に載っていた。オージーらしい表現がなくなるのは、日本人の私でも寂しいなあ。
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■その66「こんなに違う宿題」
2007年09月05日
最近、日本のテレビのCMに、おもしろい国際比較があった。
子供に計算問題をやらせている場面がでて、その問題用紙がアップになる。日本の問題用紙には、3+4=□、欧米の問題用紙には、□+○=7、という問題が書いてある。
▲サイエンスルームで、みんな熱心に勉強中? |
詳細は忘れてしまったが、塾だか通信教育だかのCMだったと思う。子供に期待していることが明らかに違う。日本は与えられた課題を正確に答える。答えはひとつ。欧米は子供に考えさせる。そしてその答えは一通りではなく、色々な場合が考えられるわけだ。
子供達がこちらの学校に通うようになって、同じような経験をした。宿題の出し方が違う。日本の計算ドリルや漢字練習のようなプリントはほとんどない。一 番多いのは、Project, Assignmentと呼ばれる学習課題で、日本で言えば、社会・理科で行われるようになった「調べ学習」に近いかもしれない。その課題の出し方は、実に ユニークで楽しいアイデアが一杯だ。
例えば「ノベル・プロジェクト」。ある小説をテーマにする。日本なら「○○日までに感想文を書いてきなさい」となるところだが、こちらでは、この一冊の小説を使って様々な課題に取り組む。
たとえば、
1.読者としてこの本の作者へ宛てた手紙を書く。
2.著者になったつもりで本にするため、編集者に売り込む手紙を書く。
3.この本をどうやって売り出すか、プランを立てる。
4.新聞にこの本の紹介文を書いてみる。
5.この本の中のキーワードを使ってクロスワードパズルを作る。
6.この本のポスターを描く。
7.この本のストーリを使って紙芝居を作る。
8.気に入った場面を工作で立体的に表現する。
9.後編を自分で書いてみる、など。
もちろんその他に自分でやりたいことがあれば、それでも構わない。生徒は、与えられた課題の中からいくつかを選び、1ヶ月位かけて取り組む。
この宿題は6年生の国語(English)の授業で出されたものだったが、ポスターを描いたり、工作したり、と「これってほんとに国語の課題?」と親子で戸惑ってしまった。またその評価の付け方も日本とは違う。
実は、それぞれの項目には10点、20点、30点と点数が表示してあり、自分で課題を選ぶ時点で合計が100点になるようにする。ほとんどの子供は合計が100点になるように、自分の得意な分野を考慮しながら、課題を選ぶ。
しかし、高得点を望む子は、合計が100点以上になるように課題を選ぶ。それぞれの項目で満点が取れなくても、それ以上の課題をこなせば、100点が取 れる可能性が増す。場合によっては、100点以上の点数も取れるということだ。
日本では毎日の決まった宿題、週単位の宿題はあるが、このような長い期間かけて取り組む宿題は極めて少ない。
日本のプリント学習も、繰り返しの効果があり、ある程度の進歩、達成度が評価できるし、最近は「脳を鍛える〜」とか「○○式計算ドリル」とかで、大人の間でも大流行だ。もちろん、それなりに意味のある宿題なのだろう。
一方、こちらの課題は創造的で、それぞれの生徒の違った持ち味を引き出せる。かと言って良いことばかりではなく、問題もある。本人のやる気によって、宿 題に取り組む時間がかなり違う。手を抜くのは簡単だ。反対にやりすぎてしまうこともあるようだ。
息子のクラスのある男の子が、課題の締め切り間近になると、必ず1日か2日学校を休む。そして、いつもトップの点数をとる。
「ジェームスは、ぜったい家で宿題をやっているんだ。ズル休みだ!」との声が生徒から上がり、先生がその生徒に注意をした。真面目な生徒にとっても、この宿題は負担となるらしい。
ペーパーワーク、暗記中心の日本と、リサーチや創造性に力を入れるこちらの教育。本当は、両方の優れた点を取り入れたバランスの良い教育が理想なのだが。
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■その67「みんな大好きサプライズ・パーティー」
2007年09月05日
主人公が家のドアを開けると、「サプライズ!」のかけ声とともに、家族や顔見知りの友人達がいっせいに飛び出してきて、彼(彼女)の周りを囲み「誕生日おめでとう!」と口々にお祝いを述べる。もちろん、クラッカーの鳴る音も紙吹雪も定番だ。
これは、海外の映画やドラマでよく見られるシーンだが、先日は倉本聡脚本ドラマ「優しい時間」でも回想シーンとして使われていた(このときお祝いされていたのは、大竹しのぶ扮するお母さん)。
しかし、こういったシーンは、決して映画やドラマの中だけではない。オージー達は「サプライズ・パーティ」を気軽に計画し、楽しんでいる。
学校の友達が集まって、誕生日のサプライズ・パーティを催すのはよくあることだ。子供達だけではなく、もちろん大人達も「サプライズ」を楽しんでいる。なかには1年以上も前から計画する大掛かりなものもある。
広大な土地をもつオーストラリアでは、家族、親戚が簡単に会うことはできない。そこで、クリスマスや結婚記念日、40歳、50歳、60歳の誕生日など特 別な日にサプライズ・パーティーを計画し、オーストラリア各地から友人、親戚などを招待した上で、主人公を驚かす。
私の友人の場合、子供たちが母親(友人)の誕生日にサプライズ・パーティを計画した。当日、自宅の庭でBBQをしていたら、突然フィンランドから両親、祖母、いとこなどが現れ、腰を抜かすほど驚いたそうだ。
このように、外国からゲストを招くこともあり、まさに「サプライズ」だ。
「サプライズ」は、パーティだけではない。
別の友人は、イタリアに留学中の娘が突然「サプライズ!」と言って家に戻ってきた、とニコニコしながら話してくれた。突然の帰国は、これで3回目だという。うまくいけば大変喜ばれるが、それなりにリスクも伴う。
当の娘さんは、ケアンズ空港に到着して自宅に向かいタクシーを走らせている時に、「そういえば、両親は近々旅行に出かけるかもしれないと言ってたけど、 家にいなかったらどうしよう。鍵も持ってないし、スペアーキーの隠し場所も知らないよ〜」と不安に襲われたとか。
どうしてそこまでして皆を驚かせるのが好きなのだろうか?驚かれ、そのあと喜んでもらうことの楽しさは、私にも理解できるが、その「サプライズ」にかける情熱には少々解せないところもある。
もし、何の前触れもなしに自宅に突然ゲストが現れたら、いつも家の中が(どちらかといえば)散らかっている私などパニックになってしまう。
以前ドアを激しくノックする音がしたので、何事かと思い急いでドアをあけると、日本に留学中の友人が、笑いながら玄関に立っていた。
「Mathew ! ここで一体何してるの?」と驚いて尋ねると、「ちょっと休暇でこちらに帰ってきたんだ!」と言う。もちろん、それなりに歓待はしたが、食事の用意もできず、飲み物もコーラとミルクしかない。
「前もって知らせてくれれば、もっといろいろ準備出来たのに・・・」と残念に思ってしまった。確かにその時の驚きは相当なものだったので、いたずら好きの彼としては満足だったに違いない。
あとで聞いたのだが、Matthewは私との共通の友人に「彼女(私)を驚かしたいから、僕がこちらに帰って来てる事、絶対言っちゃダメだよ!」と口止 めしていたとか。実は彼女も仕事中声をかけられ、顔を上げるといきなり彼が立っていたので「すごくびっくりした」と言っていた。
「サプライズ・パーティ」は、仕掛ける方の苦労も大変なものだ。店を借り切ってのパーティならば、事前の飾り付けなど比較的自由だし、すべてが出来上がった時間に本人に来てもらえばよいのだから、たいして苦労はしない。
しかし、自宅でサプライズ・パーティーを開く時には、そうはいかない。自宅での準備のとき、いかに本人を外に連れ出すか。自宅なのだから、そう都合良く は外出してくれない。うまく外に出てくれても、さて今度は、パーティの時間にちゃんと戻ってくるようにうまく話をつけられるか。
そして、帰宅したときに家の前にお客さんの車や自転車がたくさん停めてあると気づかれてしまうので、お客さんにはわざわざ遠くに駐車するように頼む、等々。
いずれにしても、全ては本人を驚かせ、喜ばせたいという気持ちからなのだ。「サプライズ」がうまくいって、当人の目にうれしさの余り涙でも浮かんだら、仕掛け人も幸せ100倍、というところだろう。
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■その68「心地よいフェアゴー精神」
2007年09月05日
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■その70「愛国心を学ぼう」
2007年09月05日
オーストラリア人の多くは、広い大地や恵まれた資源を持つこの国を誇りに思っている。車のナンバープレート、バスタオル、Tシャツなど色々な所にオーストラリアの国旗が描かれ、ひとつのファッションになっている。 宅配のピザを頼むと、箱の表面には、「Aussie! Aussie! Aussie!」と大きく印刷され、100%オーストラリア資本の会社であることをアピールしている。 日本でもし何かのパッケージに「日本!日本!日本!」と印刷してあったら、若い人はダサイと感じて購買意欲が落ちるかもしれない。 オーストラリアディ(オーストラリアにイギリス人の入植が始まった記念日)には、頬に国旗のフェイスペイントをしたり、「今日はせっかくだからオースト ラリアらしいことをしよう!」と家族でBBQを楽しんだり、アンザックビスケットやラミントン(ココナッツをまぶした四角いケーキ)、パルオーバー(メレ ンゲのケーキ)などのオーストラリアを代表するお菓子を食べたりして、皆でお祝いをする。 あるラジオ局ではこの日一日中オーストラリアの曲だけを放送していたし、小さな国旗を立てて走っているタクシーも見かけた。日本では、祝日に国旗を掲揚している家をたまに見かけるが、最近は随分少なくなった。 オーストラリア人は気軽に"I love Australia." "I am lucky to be Australian."と口にする。「ニッポン、チャチャチャ」はサッカーのワールドカップ以来流行っているものの、「日本大好き」とか「日本に生まれ てラッキーだ」とはあまり聞かない。 日本語の「愛国心」という言葉は、ほとんど死語のようになってしまった。しかし、一旦、外国生活を経験すると、日本の素晴らしさが見えてくる。アメリカ やオーストラリアのように若い国々からみると、何千年も前から培われた歴史、文化を持っている日本は憧れの対象だ。 トヨタや日産などの車、ソニーやパナソニックの電気製品は、なかなか手に入れることが出来ないブランド品。そして、最近では「ラスト・サムライ」「たそ がれ清兵衛」「千と千尋」などの日本を舞台にした映画やアニメが外国で高い評価を得ている。 私達日本人にとっても日本人であることを誇りに思える機会が増えてきた。そして何より、オーストラリア人のように、素直に自分の国を好きになり、誇りに思える事は素敵なことだと思うのだ。 |
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■その71「ほめる教育、賛成?反対?」
2007年09月05日
こちらでは色々な場面で、他者を盛んにほめる光景を目にする。
"I’m impressed!"、"Excellent!"、"Wonderful!"、"Awesome!"など、大人子供を問わずよく耳にする表現だ。
日本でも子育て方法のひとつに、「ほめて育てる」というやり方があるが、こちらはまさにそれを実践している。子供のちょっとした行動にも、「すごい!」 「うまい!」「すばらしい!」とほめるので、時には「少しやり過ぎじゃない?」と思うこともある。
子供に乗馬を習わせたときのこと。
オージーの友達は、小学生の自分の子供に対し、わずか1時間の間に30回くらい「すごい」「よくできたわね」「上達したわ」を連発した。ほめられた子は 得意満面。私はといえば、隣で練習している息子に対して、「大丈夫?」「ほらしっかりやって」「こうした方がいいんじゃない?」と、アドバイスや注意ばか りを与えていた。
小学校のAssembly(朝の集会)には 「表彰会」の時間がある。担任の先生が「宿題を頑張った」、「転校生の面倒を見てあげた」、「先生をよく手伝った」などと、みんなの前でほめて賞状を渡 す。先生によっては、自分の受け持ちのほとんどすべての生徒に何がしかの賞を与えて表彰している。
▲賞状をもらって得意満面 |
友達の家に遊びに行くと、子供がもらったトロフィーが所狭しと並べられている事が多い。子供達は、スポーツ、演劇、音楽などの様々なクラブに属していて、そこでもいろいろ理屈を付けては(?)賞状やトロフィーが渡される。
「1年間頑張って教室に通い続けた」というものもあった。日本だったら、できて当然のことと思われることでも、親も教師もできるだけ評価しよう、という気持ちが感じられる。
しかし、たまに首を傾げたくなることもある。
教育として「ほめる」のなら理解できるのだが、多くの親は掛け値なしで「自分の子供はスゴイ!」と思い込んでいるのだ。日本では、人前で自分の子供のこ とを過度にほめたりすると、「親バカじゃない?」とか「ちょっと自慢し過ぎじゃない?」と思われるのがオチだ。
日本の友人と子供の話をする時は、どちらかというと愚痴が多い。「あまり勉強しなくて困る」、「うちの子、落ち着きがなくて・・・」といった具合。
ところがこちらは全く逆。「うちの子はクラスでトップなのよ」、「運動神経がずば抜けていいのよ」、「学校で友達がすごく多くて」など自慢話が延々と続 く。時にはこちらが呆れるほどだ。親ならば、自分の子供が素晴らしいと思うのは当然かもしれないが、聞かされる側にとってみると、少々辟易してしまう。
教師をしているオージーの友人にこの話をすると、やはり多くの親が自分の子供の問題点の指摘に対して、「そんなことはない。うちの子はすばらしい。問題 があるわけがない」と反論してくると教えてくれた。親は、子供の悪い点をなかなか認めたくないらしい。もっとも、「私だって、もし自分の子供に何か問題が あって呼び出されたら、自分の子はどんなにいい子かをしっかり説明すると思うわ」ということだった。
ほめる相手は何も子供に限らない。
あるパーティーに招待された時のこと。テーブルに並んだ料理を前にして、ホストのご主人はゲストの友人達に得々と説明した。
「これは、奥さんの得意料理なんだ。最高においしいよ!」
「うちの奥さんは本当に料理がうまいんだ。世界一だよ」
と盛んに奥さんのことをほめちぎる。もちろんほめ言葉は料理にとどまらない。
「彼女はピアノが上手で、歌もうまい。すごい才能の持ち主なんだ」。
こういった自分の家族の自慢話もよく耳にする。日本人の私からするとちょっとほめすぎ?オーバーじゃない?と思うが、周りのオージーはニコニコとうれし そうにそれを聞いている。不思議なことに、恒例のオージー流茶々を入れる人は誰もいない。
私の主人など、お客さんが「奥さん料理うまいね!いつもこんなの食べているの?うらやましいな〜」などとほめると(注:もちろんお世辞)、「そんなこと ないよ。今日だけ特別。いつもは、いわしの干物をしゃぶっているよ」と決まって私をこけおろす。
どちらかというとそれが日本のやり方だ。この日本風作法をオージーの友人に話すと、「もし、男性がゲストの前で奥さんや恋人のことをほめずに、逆にけな すようなことがあったら、その男性とは絶対別れるべき、と思う」という。ゲストの方も、男性の奥さん(恋人)礼賛を期待しているのだ。
一方で、オランダ出身の友人からは、「みんなほめすぎ。子供の場合、ほめられることに慣れてしまうと、自分の未熟さに気づかずに成長することになってし まうので、長い目で見るとあまり本人のためにならないと思う」という意見もあった。確かに、オージーの、時に目に余る自身満々な態度は、ほめる教育の弊害 かもしれない。
やはりバランスが大事ということか。
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■その72「しゃべるために生まれてきた(?)オージー」
2007年09月05日
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